はじめに
仕事や勉強になかなか取り掛かることができず、時間を浪費している人をよく見かけます。
人の脳は本能的に変化を避けるようにプログラミングされています。生物にとって変化とは危険を意味するからです。そのため何かを始めようとしても、潜在意識が足を引っ張り邪魔をします。
また脳は省エネを好みます。脳は燃費が悪く、使用するのに多くのエネルギーを必要とするからです。
このような理由から、仕事や勉強になかなか取り掛かることができないのです。
これは脳のシステム上、仕方なのないことです。
しかし脳のシステムを逆に利用することで、仕事・勉強にスムーズに取り掛かる方法があります。
今回は仕事や勉強などをすぐ始められるための方法についてお話します。
この記事を読めば、仕事や勉強をスムーズに開始できるようになり、効率がアップします。
ルーティーンを作る
結論からお話しますと、仕事や勉強をスムーズに開始するには、ルーティーンを作るのが効果的です。
ルーティーンという言葉を有名にしたのは、ラグビー元日本代表の五郎丸選手です。五郎丸選手はキック前に行う「プレ・パフォーマンス・ルーティン」と呼ばれる次の五つの動作を行っていました。
- 蹴る位置にしゃがみ、ゴールポストを見て、ボールを2回回してからセット。
- 立ち上がり、後ろに3歩下がり、左に2歩動く(ボールの位置に対し、ゴールポストへの直線から左45度の角度で入っていける位置に立つ)。
- 右腕をひじまで脇につけ、手のひらを前に押し出すように腕を振る。
- 身体の前で手を組む(これがいわゆる「五郎丸ポーズ」)。
- 8歩の助走で蹴る。
ルーティンを取り入れてからキック成功率は81%という世界トップクラスの水準に上昇しました。
五郎丸選手は集中するためにルーティーンを取り入れていたそうですが、ルーティーンには他にも活用法があります。
それが今回ご紹介する、仕事や勉強をスムーズに開始するスイッチとする活用法です。
あなたはパブロフの犬と呼ばれる生理現象を知っていますか?
ロシアのパブロフ(1849〜1936年)が犬を用いた実験で発見した生理現象のため、パブロフの犬と命名されています。パブロフは、犬にベルを鳴らしてえさを与えると、ベルを鳴らしただけでだ液を分泌するようになることを発見しました。
いわゆる条件反射といわれるものです。
ベルの代わりにルーティーンを用いるのが今回ご紹介する方法です。
実はベルによって授業を開始するという条件反射を、僕たちは学校で身に付けています。タイマーをセットして開始するのも一つの方法です。しかしベルだけではスイッチは入りにくいです。
そこでベルよりももっと強力な条件として、ルーティーンを使います。
ルーティーンを行った後に、勉強や仕事を開始することを繰り返すことで、徐々に
ルーティーン➡仕事・勉強を開始
という条件反射が形成されていきます。
ルーティーンの内容は何でもいいのですが、あまり時間や手間のかかるものは避けるようにしてください。
よくある間違ったルーティーンが、片づけをしてから仕事や勉強を開始しようとするパターンです。
気持ちは分かるんですが、片づけは時間も手間もかかりやすいです。
それよりも
といった簡単なものがオススメです。
条件反射になるまでは反復が必要です。最初は意識的に無理やりにでもルーティーン➡仕事・勉強開始を行いましょう。
大事なのはルーティーンの後に他のことをしてしまわないことです。
例えばルーティーンの後にテレビを見てしまうと、【ルーティーン➡テレビを見る】という間違った条件反射が作られてしまいます。
このような事態を避けるためにも、初めは徹底的に【ルーティーン➡仕事・勉強開始】を意識してください。
個人差はありますが40日ほど続けると条件反射が完成します。
一度条件反射が完成してしまえば、そのあとはルーティーンを行えば無意識に仕事・勉強を開始できるようになります。
一度身に付けてしまえば後は楽なので、初めの40日間を乗り切ってください。
さいごに
今回ご紹介したルーティーンを用いた方法は、様々な場面に応用できます。
例えば【起床後着替え➡散歩に出かける】を繰り返せば、条件反射的に散歩を続けることができるようになります。
ルーティーンと条件反射を利用することで、無理なく自然に仕事・勉強を開始できるようになります。
あなたなりのルーティーンを作ってみましょう!
コメントを残す