INTRODUCTION
前回のpart1では余命1カ月と宣告を受け、一度は死を受け入れたものの、家族のことを思い生きることを誓ったところまでお話しました。
今回は余命宣告を克服するために、どのように向き合ったかについてお話していきたいと思います。
この経験があったからこそ今の人生があり、ブログを始めることにもつながりました。
余命宣告されてまずやったこと
余命宣告をくつがえして生きるには、まず自分のなかに確信を持つことが必要だと感じました。
顕在意識(※1)で「治ってみせる」といくら思っても、潜在意識(※2)で「やっぱり無理だろうな」と考えていては、現実を変えることはできないことは医師としての経験で知っていました。
(※1)潜在意識
自覚できていない無意識の部分です。僕たちの瞬間瞬間の行動や思考、発言などの大半は無意識に決定されています。意識的に行っているものでも、実は無意識の影響を受けて行っています。この無意識こそが潜在意識です。潜在意識によって今の人間関係や仕事など人生全般が作られているといっても過言ではありません。潜在意識には未知な部分も多いですが、僕は病気を作ったり治したりするのにも潜在意識が大きく影響していると考えています。
(※2)顕在意識
自分で意識できる部分です。頭に浮かぶ思考や心の声など言葉にできるようなものです。
潜在意識で治せると思うには、同じ状況から生還した人の話を聞くのが一番だと思いました。とはいえなかなかそのような人に出会うことは難しいです。
そんなとき有効なのが本やブログなどの情報です。
本やブログであれば、過去から現在までの世界中の事例を知ることができます。
さっそく検索したところ、余命宣告から生還した人たちが思っていた以上に多いことを知りました。
そのことだけでも
「可能性は十分ある」
と潜在意識で思えるようになり始めていました。
ここが治る人と治らない人との分かれ目になります。
余命宣告され「もう自分は死を待つのみなんだ」となれば、その思いが現実になってしまうでしょう。僕も最初の死を受容したままであれば、おそらく宣告通り死を迎えていたと思います。
生きることを選択し、可能性があることを知ったことで、希望が生まれてきました。
ブログは個人的な体験談を綴っているものがほとんどでした。本も同様のものが多かったです。それでも同じ境遇から治った人がいることに力をもらいました。
なかでも参考になったのは、医師が医療現場で目にしてきた余命宣告からの生還患者をまとめ、医学的推察を加えた『奇跡的治癒とはなにか』(バーニー・シーゲル=著 石井 清子=訳、日本教文社 1988年)でした。
様々な体験を自分事として読み進めることで、次第に自分にも可能なことだと思えるようになりました。
同時に
もし自分が生還することができたら、同じような状況におかれた人たちの助けになるような情報を何らかの形で発信していきたい
と思うようになりました。
本やブログを読み進めていくと、生還した人たちにはいくつもの共通点があることに気付きました。
「この共通点を実践すれば生還できるのでは?」と思い、共通点をまとめ実践していくことにしました。
共通点に関しては後日改めてお伝えします。
この時点で99%治ると確信することができていました。
しかし残り1%の「やっぱり治らないのでは」という不安を払拭することができません。
医師から発せられた「余命1カ月です。身辺整理をしておくように。」という言葉が、呪いのようにじわじわと心をむしばんでいました。
話が少しずれますが、言葉の持つ力についてお話させてください。
日本には古来から言葉には力が宿ると考えられており、言霊と呼ばれる思想があります。言霊の力を悪用したものが呪術で、長い間政治にまで持ち込まれていました。良い使い方の例としては、神社でお祓いの際に神主が読み上げる祝詞があります。神社でお祓いをしてもらうと体が軽くなり清々しくなるのは祝詞による言霊の力が影響しています。
日常生活において僕たちは日々言霊の影響を受けています。悪口を言われ続けたら心を病んで病気になってしまいますし、褒められたら実力以上の力を発揮できたりします。このように身近なことでも言霊の影響を受けているのです。
僕にとって医師からの余命宣告の言葉は、言霊として悪い方に作用していました。「これを呪いというんだな」と思いました。
1%の不安を取り除いて100%治ると確信するには、潜在意識で治ると感じる必要があります。潜在意識で治ると感じられるようになるため以下の3つの方法を試みました。
1.瞑想
瞑想はブッダをはじめ東洋の多くの偉人たちが行っていた方法です。近年ではその効果が医学的にも証明され西洋でもブームとなっています。Apple創業者の故スティーブ・ジョブズさんやソフトバンクの孫正義さんも行っていることで有名です。
瞑想を行うことで潜在意識と顕在意識の境界が溶けていく感覚が得られます。その結果、普段は影響を与えることができない潜在意識に影響を与えることができます。また逆に潜在意識から真理や閃きを与えられることもあります。このあたりの話は長くなるので、また改めてお話します。
2.紙に書いて目につくところに貼る
繰り返し目にするものは潜在意識にまで浸透します。有名なものにサブリミナル効果があります。
サブリミナル効果とは人が意識できない短時間の情報を与えることで潜在意識に影響を与える心理効果です。
サブリミナル効果の実験としてプリンストン大学の心理学者であるグラント・クーパー氏とジョエル・クーパー氏が行ったものがあります。人気アニメ「ザ・シンプソンズ」にコカ・コーラの缶の画像と「thirsty(喉が渇いた)」というメッセージを画面を劇中の12箇所に挿入して被験者に見せたところ、視聴後にのどの乾きを訴える傾向が強くなったと報告しています。
今ではこの手法は禁止されていますが、スポンサー企業の商品を作品の中に登場させる方法でサブリミナル効果は利用されています。
この方法を自分自身に応用するのが、紙に書いて目につくところに貼るという方法です。
何度も何度も目にすることで潜在意識にその言葉が浸透し、その言葉を実現させるために必要な情報感度を上げたり行動を促したりします。僕の持論ですが細胞まで作り変える力があると考えています。
3.アフォメーション
「断言」や「肯定」を意味する英語affirmationが語源です。自分がなりたい状態を繰り返し言葉にすることで潜在意識に浸透させ、現実を変えていく方法です。
スポーツ選手が「俺は強い、俺は勝てる」と言うのもアフォメーションです。
アフォメーションは長文よりも短いシンプルな言葉の方が潜在意識に浸透しやすいです。
僕の場合は「大丈夫」という言葉を繰り返しました。
この言葉は知り合いのアメリカ人医師が僕にかけてくれた言葉です。
まだ不安をぬぐいされていない頃、事情を知って連絡をくれたアメリカ人医師が
「日本のガン治療のレベルはアメリカ並みだし、もし日本でダメでもアメリカには優れた治療があるから心配ないよ!大丈夫‼」
と言ってくれました。
この「大丈夫」の言葉で不安が消えていくのを感じました。
言葉の持つ力の凄さを実感しました。
それ以来、大丈夫が僕にとってのハッピーワードになりました。
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