死をひかえて後悔する5つのこと

はじめに

若く健康な間は、人生に限りがあることを明確に意識できません。

余命がわずかと知ったとき、やりたかったことに気付けるものです。

僕の場合は余命1カ月と宣告された際、「なんの悔いもないな」と思えましたが、このように思える人はごく少数のようです。

多くの人が後悔を口にするものです。

しかしやりたいことが分かったとしても、残された時間も体力もわずかなため、実現できないことがほとんどです。その結果、後悔したまま最期の時を迎えることになります。

今回は死をひかえた多くの人が後悔する5つのことをお伝えします。

この記事を読むことであなたは、死をひかえたとき悔いのない人生だったと思えるようになります。

死をひかえ後悔する5つのこと

オーストラリアの緩和ケア病棟看護師であるブロニー・ウェアの著書『死ぬ瞬間の5つの後悔』には、終末期を迎えた多くの人が共通して語る5つの後悔について書かれています。

結論からお話すると、5つの後悔は

  1. もっと幸せな生き方をしたかった
  2. 友達ともっと一緒に過ごせばよかった
  3. 自分の気持ちを素直に表現すればよかった
  4. 働きすぎなければよかった
  5. 他人の期待する人生ではなく、自分が望むような生き方をすればよかった

です。

それぞれについて詳しくみていきましょう。

①もっと幸せな生き方をしたかった

①の幸せな生き方という表現は曖昧で具体的ではありませんが、幸せだったと思える人が少ないということを意味します。

「幸せとは何か」という問いに対する答えは人それぞれなので、明確な答えはありませんが、死をひかえて思う幸せとは物質的な豊かさではなく、豊かな人間関係を意味するのだと思います。

僕は余命宣告された際「お世話になった親戚や友人に会っておきたい」とまず思いました。

人が幸福を感じるのは究極、人との繋がりなんだと思います。

それ以来、家族や親戚、友人など人との関りを重視するようになりました。

まずはあなたの身近な人たちとの関係を大切にしておきましょう!

②友達ともっと一緒に過ごせばよかった

②は①と同様で人との繋がり、人間関係が後悔する要因であることを意味しています。

できるだけ友人と会う機会を作るようにしましょう。

僕は元々自分から率先して友人を誘うタイプではなく、いつも受け身でした。しかし余命宣告を経験してからは、自分から声をかけるようになりました。今では毎回幹事をする役回りになってしまいましたが、それも楽しめています。

つい「自分ばかり会いたがっているのでは」「忙しかったら誘うことが迷惑になるのでは」と考えてしまいがちですが、それは結局自己保身でしかありません。

誘うのは何となく自分が下手になる気がしますし、断られ傷つくリスクを負います。また会うとなった際は場所や店を決める面倒を引き受けなければなりません。

しかしそんな些末なことは、死をひかえての後悔に比べれば砂粒のように小っちゃい問題です。

会いたいと思ったら軽い気持ちで誘うようにしましょう。

③自分の気持ちを素直に表現すればよかった

日本人よりも気持ちを素直に伝えるオーストラリア人でさえも、気持ちを素直に表現できなかったことを後悔しています。日ごろから気持ちを表現しない日本人であれば、より後悔の度合いが強いものとなるはずです。

僕も例にもれず身近な人にほど感謝の気持ちを表現せずにいました。気持ちはあるんですが、それを表現せずにいました。

しかし言葉にしないと気持ちは伝わりません。

死をひかえて後悔しないためには照れくさいなんて言っている場合じゃありません。

気持ちを素直に表現して失うものは何もありません

感謝の気持ちなどポジティブなものであればプラスしかありません。

同時に不平不満などネガティブな気持ちも表現しておくべきです。

言いたいことを言えずに後悔した経験はあなたもあるはずです。

人はポジティブでもネガティブでも、思ったことを口にして伝えないと後悔する生き物です。

事あるごとに気持ちを素直に表現するよう心がけましょう。

④働き過ぎなければよかった

働くこと自体は問題ではありません。労働は基本的には誰かの役に立っているわけですから素晴らしいことです。

それゆえ働かなければよかっと後悔する人はほとんどいません。(犯罪などに手を染めている場合は後悔する人が多いですが)

後悔するのは働き過ぎてしまうことで、家族や友人と過ごす時間を削ってしまったり、精神的に余裕がなくなって周りを思いやることができなかったことに対してです。

結局は人間関係を良好にできなかったことを後悔しているわけです。

本当の問題は働き過ぎよりも、仕事以外の時間も仕事に影響を受けることにあります。

1日の労働時間が8時間とすれば、労働前の8時間と労働後の8時間は自由な時間です。睡眠時間8時間を引いても8時間も残ります。その時間のうち4時間を家族や友人と過ごす時間に当てれば、労働時間を減らさずとも働き過ぎたと後悔することはなくなるはずです。

それにも関わらず、仕事前も仕事後も仕事に影響を受けてしまっている人があまりにも多すぎます。仕事前は仕事に備えるための時間になっていたり、仕事後はその日の仕事を引きずったり翌日の仕事に備える時間になってしまっています。

ON-OFFを切り替えることで、働きながら家族や友人との時間も確保できるようになり、死をひかえて働き過ぎたと後悔することはなくなります。

⑤他人の期待する人生ではなく自分が望む生き方をすればよかった

このことは余命宣告から生還した際に僕も感じました。

なぜ末期の悪性腫瘍を患ったのかと考え抜いたすえ、

「自分の生きたいように生きていなかったから、人生を軌道修正するために病気が与えられたんだ!」

と気付きました。

それまでは自分で医師を目指し、自分で整形外科医になることを選んだと思っていました。

しかしそれは無意識に周囲の期待に応えようとしていたんだと気付きました。

それ以来、自分の心の声をしっかり聴くように心がけています。

常に「この考えは誰かの影響を受けていないか」「無意識にコントロールされていないか」「本心から自分が望んでいることか」ということを自問自答するようにしています。

あなたの心はあなたの進むべき道を知っています。

周囲からの情報によってモヤがかかって見えずらくなっているだけです。

心の声にしたがって進めば、後悔のない人生を送ることができます。

さいごに

僕自身の経験をふまえて、死をひかえて後悔する5つのことについてお伝えしました。

後悔しないための極意をひとことでまとめると「心に素直に、人との関りを大切に」ということになります。

死をイメージすることは難しいと思うので、経験者の意見を参考に、悔いのない人生を送ってください。