おりものとは
おりものを医学的には帯下(たいげ)といいます。
おりものとは膣(ちつ)や子宮といった女性器から分泌される液体が、膣から体の外に出てきたものです。
おりものには、膣を酸性にすることで細菌の感染を防いだり、性交後に精子の動きをサポートするといった大事な役割があります。
おりものは、年齢や性周期によって、量や性質が変化します。
通常は加齢とともに、おりものの量は減っていく傾向にあります。
排卵期には精子の動きをサポートするためにおりものの量は増えます。その後量の減少とともに粘り気のある白っぽいおりものになり、やがて生理を迎え血液が出ます。生理が終わるとおりものはサラサラした粘り気の少ない状態になり量が減ります。その後再び排卵期に向け帯下の量は増えていきます。
正常の帯下には次のような特徴があります。
- 色:透明~白色
- におい:無臭~やや酸っぱい
- 粘性:サラサラ~やや粘りがある
量に関しては個人差がありますが、おりものシートで吸収できる範囲であれば正常範囲内と考えてよいでしょう。
正常とは異なる状態になった場合は病気が疑われます。
今回はおりものが変化した際、どのような病気が疑われるかについて解説します。
★おりものの色、におい、状態が変わって心配
★おりものの状態によって、どんな病気が疑われるか知りたい
この記事を読めば、おりものの状態によってどんな病気が疑われるか知ることができます
病気ごとの特徴
ではさっそく病気によって、おりものにどんな変化が現れるかみていきましょう。
膣トリコモナス症
膣トリコモナス原虫という鞭毛をもつ単細胞の寄生虫による感染
若い人から中高年まで幅広い
薄い膿(うみ)状のおりものの量が増える。膣の中は泡状で悪臭。
膣カンジタ症
カンジタ・アルビカンスという真菌(俗に言うカビ)による感染
高齢者に多い
陰部の皮膚に赤みとかゆみがある。チーズやお粥のようなおりものが少量
子宮頚管炎
淋菌やクラミジア・トラコマチスによる感染
性行為の多い若年層
淡い黄色~黄白色の粘り気のあるおりもの
おりものの状態で疑われる病気
今度は見方を変えて、おりものの状態から疑われる病気について解説します。
茶~赤っぽい色/におい(-)/かゆみ(-)
- 子宮頚がんの初期
- 子宮頚管ポリープ
- 子宮膣部びらん
- 生理の終わりかけ
濃い黄色~緑色/におい(-)/かゆみ(+)
- 子宮頚管炎
- クラミジア
- 萎縮性膣炎
豆腐カスの様な物が混ざった白~クリーム色/におい(-)/かゆみ(+)
膣カンジタ症
濃い黄~緑色/におい(+)/かゆみ(-)
- 細菌性膣炎
- 子宮頚ガン
- 子宮体ガン
茶~赤茶色で泡状/におい(+)/かゆみ(+)
膣トリコモナス症
当てはまるものがあったら
もし当てはまるものがあったら、早めに婦人科を受診するようにしましょう。
特に子宮頚ガンや子宮体ガンなどは、早期発見できれば女性器を温存して治療できる可能性があります。
ためらわずに今すぐ近くの婦人科を検索して、受診の予定を立ててください。
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