エイズとは
エイズとはacquired immunodeficiency syndrome=後天性免疫不全症候群の頭文字をとった AIDSが語源です。
ヒト免疫不全ウイルス(human immunodeficiency virus;HIV)が感染し、全身の免疫が機能しなくなった状態をエイズといいます。
全身の免疫が機能しなくなると、普通ではかからない感染症や悪性腫瘍を引き起こします。
近年では治療薬の開発が飛躍的に進んだため、初期に発見し適切な治療を受ければ、免疫力を落とすことなく普通の生活を送ることが可能となってきています。
しかし初期は無症状であったり、重い症状がほとんどないため、HIVに感染したことに気付かないことも多いです。
その結果、パートナーを感染させてしまったり、初期に適切な治療を行うことができずエイズを発病してしまうことが多いです。
日本では毎年1500人前後のHIV感染者/AIDS患者が発生しています。
世界では年間180万人の新たに感染し、100万人がエイズによってお亡くなりになっています。
治療が進歩したとはいえ、いまだに深刻な感染症です。
そこで重要になってくるのが治療です。
この記事を読めば、Hエイズになるとどんな症状が出るのか知ることができます
症状
感染初期
感染に早く気付いて治療を開始することで、エイズの発病を防ぐことができます。
しかし多くの場合、感染してすぐには症状が現れません。
もし症状が出たとしても、風邪やインフルエンザに似た症状のため、HIVに感染したことに気付きにくいです。
とはいえ初期で感染に気付くことが重要です。
そこで感染初期の症状については個別に詳しく解説しています。
こちらの記事をご参照ください。
軽症または無症状期
初期症状が治まると、ほとんどの場合症状が無くなります。
症状が無い期間は2~15年続きます。
この期間にたまに現れる症状として、次のようなものがあります。
- リンパ節の腫れ(首、わきの下、脚の付け根にしこりを自覚する)
- 口の中に白い斑点ができる(カビの一種であるカンジタ症)
- 帯状疱疹(たいじょうほうしん)
- 下痢
- 疲労感
- 熱が出る
- 汗をかく
- 体重が徐々に減っていく
- 貧血
これらの症状は、HIVによって生じる場合もあれば、HIV感染の結果免疫機能が低下したことで発生する場合もあります。
重度の症状
ときに初めから重い症状が現れることがあります。
エイズを発病すると、普通の免疫力があれば問題にならないような微生物に負けてしまうようになります。
その結果、全身で様々な感染症が起こります。
代表的な症状は以下のとおりです。
- 肺:発熱、せき、息切れ
- 脳:頭痛、筋力低下、協調運動障害、精神機能低下
- 消化管:痛み、下痢、出血
またHIVが直接損傷を与え、以下のような症状を引き起こすこともあります。
- 脳:脳が破壊されて、記憶障害や思考力・集中力の低下などが生じます。治療が行われない場合、認知症や筋力低下、ふるえ、歩行困難が起こります
- 腎臓:腎不全になることで、脚や顔のむくみ、疲労感、尿量の減少などが現れます。
- 心臓:心不全になることで、息切れ、せき、疲労がみられます
- 性器:性ホルモンが減少し、男性では性機能障害がみられるます
HIV感染者がなりやすい悪性腫瘍
カポジ肉腫
性行為によってヘルペスウイルスが感染することで起こる悪性腫瘍です。
エイズになることでヘルペスウイルスの活動が活発になった結果、カポジ肉腫を作り出してしまいます。
皮膚に痛みのない赤や紫色の盛り上がった斑点が現れます。
男性同士で性行為を行う方に多くみられます。
悪性リンパ腫
エイズになると免疫機能に異常が生じます。
その結果免疫系のガンである悪性リンパ腫が起こりやすくなります。
脳に最初に現れることもあり、
- 腕や脚の筋力低下
- 頭痛
- 錯乱
- 人格の変化
などが現れます。
その他なりやすい悪性腫瘍
- 子宮頚ガン
- 肛門ガン
- 直腸ガン
- 精巣ガン
- 肺ガン
- 悪性黒色腫などの皮膚ガン
気になる症状があったら・・・
もしHIVに感染した可能性があって、当てはまる症状があれば、検査を受けるようにしましょう。
医療機関を受診することに抵抗があれば、自宅で簡単に匿名で行える検査もあります。
かつてはHIVに感染することは死を意味しました。
しかし最近は薬の開発が進み、早期に発見し治療を開始すれば、健康な状態を維持することが可能になっています。
少しでも心配があるようなら、まずは検査を受けてください。
★HIVに感染すると、どんな症状が出るのか知りたい
★エイズになると、どうなるか知りたい