ストレス対処法 思考を変える

ストレスは受け止め方しだい

ストレスは受け止め方で影響を減らすことができます。

ストレスとはある外的な刺激に対して体や心が反応することで生じます。

同じ外的刺激を受けても、それをストレスと感じる人と何も感じない人がいます。

つまり外的刺激そのものにストレスの原因があるのではなく、受け取り手に原因があるのです

多くの人がストレスとなる外的刺激を減らそうと努力します。

しかし断言します。

ストレスとなる外的刺激は生きている以上次々に発生するので減らせません。

また外部のものはコントロールすることができません。

コントロールできるものに注力することが重要です。

ストレスの場合、コントロールできるのは外的刺激をどう受け止めるかです。

受け止め方は考え方ひとつで変えることができます

今回はストレスの受け止め方を変えるための思考についてお話します。

この記事を読めば、ストレスの受け止め方が変わり、ストレスによる体や心への影響を減らすことができるようになります。

ストレスは幻想

ストレスとは元々は自然界で生きていたころの生存本能から生まれたものです。

生物は進化の過程で、天敵に出くわしてしまうなどの危機的状況において、瞬時に逃げるか闘うかするのに必要な状態に体を変化させます。具体的には心拍数や呼吸数を増やしたり筋肉を緊張させたりします。

このような生存本能がいまだに残っているため、本当は命の危険などないにもかかわらず、危険と感じるものに出くわすと逃げたり闘ったりできる状態になります。この状態をストレスと表現しているわけです。

おおげさに言えば、危険を感じるたびに脳は命を失うのではと考えてしまうわけです。

このあたりの脳の仕組みに関しては別の記事で詳しくお話しているので、こちらをお読みください。

しかし実際は命を失うようなことは現代の文明社会においてはそうそうありません。(戦争や犯罪、自然災害などに巻き込まれなければですが。)

また脳は直接命の危険にさらされることではなくても、間接的に命に関わることもストレスと感じます。

人類は猿人類だったころから群れで生活していました。個での戦闘能力が低い猿人類は群れから外れては生きていくことができませんでした。

そのため群れから外れることは命に関わるためストレスに感じます

仲間外れにされたり、叱られたり、悪口を言われたり、孤独を感じたりすることがストレスになるのは、群れから外される恐怖を感じるためです。

しかし実際はこのようなことで命を失う危険性はありません。

ストレスと感じているものはどれも命を失う危険性などないのです。

つまりストレスとは脳が作り出す勘違い、幻想なのです。

そこでストレスに対処するうえでまず大事になるのが、受け止め方を変えるために思考をコントロールして、命の危険はないと脳を安心させることです。

思考とは

思考とは簡単にいってしまえば頭の中に浮かぶ言葉です。

僕たちは常に思考しています。

試しに今から1分間頭の中に言葉が浮かばないようにしてみてください。

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どうですか?

何かしら言葉が浮かんできますよね。

思考を止めるのは悟りを開いた高僧でもなければまず無理です。

思考は今のことだけではなく過去のことや未来のことも含め常に浮かんでは消えていきます。

思考が浮かぶのも生存本能のひとつです。

過去の経験を振り返りながら次に活かさないと、生き残ることができませんでした。

未来を予測して動かなければ生き残ることができませんでした。

過去を振り返り未来を予測できたものだけが生き残ることができました。

今、生きている僕たちは、過去を振り返り未来を予測できた生物の末裔なのです。

だから常に思考が浮かぶのは仕方がありません。

しかし思考に関しては、訓練すれば意識的に変えることができます。

ではどのように変えていけばいいのでしょうか?

知識・経験を上書きし思考を変換させる

思考は知識、経験、記憶の三要素によってつくられます。

知識とはテレビや本、動画などから得た間接的な体験です。

経験は自分自身が今まで生きてくる中で実際に体験したことで蓄積されたものです。

記憶は生物の進化過程で経験し遺伝子に刻み込まれた全記憶です。

記憶は残念ながら変えることができませんが、知識と経験に関しては上書きすることができます。

例えばあなたがガンだと告知されたとします。

すると今までテレビや本などを通して知ったガンの知識や、生物の進化過程で遭遇した病気の記憶、過去にガンを体験していればその時の経験などが結びつきます。

その結果「恐ろしい病気になってしまった!きっと助からないだろう。」というように思考が生まれます。

このような場合、知識と経験を上書きする例を示します。

知識の上書き

知識の上書きは、例えば自分と同じような状況でも治癒して元気になった人の話を読んだり聞いたりすることで可能です。最新の治療成績を調べたら思いのほか良くなっているのを知るだけで上書きされることもあります。上書きされると「治る人はいるようだから自分も大丈夫そうだ」「思っていたより深刻な病気ではないようだ」といった感じに思考が変わっていきます。

経験を上書き

経験の上書きは知識のように簡単にはいきません。上書きするにはまず解釈を変える方が有効です。

例えば「またガンになってしまった。二度目は治るのは難しいだろう。」という解釈を「前回も治ったんだから、二度目も治るに決まっている」と変える感じです。

無意識でいると生存本能の影響で最悪を考えやすいです。悪い考えが浮かんだらそのたびに考えを変えるようにしてください。

やがて新しい解釈に上書きされます。

思考を変換する5つの質問

自分自身に質問することで思考を変換する方法もおススメです。

次の手順で質問に答えていってください。

すると普段無意識に頭の中を暴れまわっている思考を捕まえ、変換することができます。

  1. ストレスの原因となっているものを書き出してください。
  2. その原因によって100%命を失う危険性はありますか?
  3. その原因について、あたなにとって好都合な部分を挙げてください。
  4. その原因がないと困ることを書いてください。
  5. その原因について感謝の気持ちを伝えてください。

イメージが湧きにくいと思うので、僕自身が余命1カ月と宣告された時の回答を記載します。

  1. 余命1カ月
  2. いいえ。余命宣告されても治癒した人もいるので100%ではありません。
  3. 激務から解放される。命と向き合える。家族と向き合える。貴重な経験ができる。
  4. 病人の気持ちが分からないままだった。周りの人に心から感謝できなかった。精神的成長ができなかった。
  5. 「病気さん、あなたのおかげで大切なことに色々気付くことができました。ありがとう。」

といった感じです。

はじめはなかなか質問に対する回答が浮かばないと思いますが、無理やりでもいいので絞り出してください。

また回答できたとしても、すぐに思考そのものが変わることはありません。

質問に対して回答するのは、ストレスの受け止め方を変えるきっかけでしかありません。

このきっかけがとても重要です。

「あ~こういう受け止め方もあるよなぁ」と思えるだけで、少しずつ思考が変わりはじめます。

繰り返し新しい受け止め方を思考することで、徐々に新しい受け止め方が自然と思考として浮かぶようになっていきます。

するとストレスが0にはならないまでも、軽減しているのに気付くはずです。

余命1カ月という最大ストレスであってもできたのですから、必ずできます。

信じてやってみてください。

1件のコメント

拝見しました(*^^*)賢児先生らしいコメント。
人は痛み、悲しみ乗り越え生きてる命あり。
その都度、思う事なんて後から振り返ると勉強。

ストレスは自分の防衛本能だったのですね。
考え方次第って解るのに難しい💦です。

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