あなたは『笑う門には福来る』ということわざを耳にしたことがあると思います。
昔から経験的に笑顔の重要性は認識されていました。
近年になり心理学、人類学、社会学、ビジネスなど多くの分野で笑顔が研究対象とされてきました。
医学においても笑顔の研究は行われています。
今回は笑いにはどのようなメリットがあるのかを医学的観点から分かりやすく解説します。
この記事を読めば笑顔で過ごさざるを得なくなりますよ!
笑いによる効用
笑いは免疫系をはじめ神経系、呼吸循環器系、内分泌系など全身に良い効果を与えることが多くの論文で報告されています。
これは笑いによってストレス情報がリセットされるためだと考えられています。
人はストレスを感じると交感神経が刺激されて、アドレナリンという神経伝達物質が分泌されます。
アドレナリンは血圧や心拍数を上 げ、心臓や血管に負担をかけてしまいます。
ところが笑うことで大脳前頭葉が活性化され、ストレスの情報がリセットされて、アドレナリンの分泌が抑えられ、心臓病などの病気の予防につながると考えられていま す。
また笑いによりストレスホルモンと呼ばれるコルチゾールが減少することが分かっています。
ストレスを慢性的に感じているとコルチゾールが過剰に分泌され、血糖値の上昇、免疫力低下などが起こってしまいます。
しかし笑うことでコルチゾールの分泌が抑えられるので、血糖値上昇や免疫力低下が起こらずにすみます。
しかしどんな笑顔でも効果があるわけではありません。
本物の満面の笑顔だけが精神的、身体的な健康上の恩恵につながる可能性が高いと考えられています。
デュシェンヌスマイル
では本物の満面の笑顔とはどのような笑顔なのでしょうか?
それは 『デュシェンヌスマイル』です。
デュシェンヌスマイルとは 19世紀の神経内科医デュシェンヌが「真の笑顔」として命名したもので、 最も好感を持たれ喜びが感じられる笑顔とされています。
具体的には口角と頬の筋肉が上がって、目尻にシワがよった笑顔を指します。
デュシェンヌスマイルの効用が色々と報告されています。
デュシェンヌスマイルで幸せ健康になる
カリフォルニア大学で行われたデュシェンヌスマイル度の高い人たちの30年間を調査した結果では、デュシェンヌスマイル度が低い人たちに比べ、結婚生活が順調で、心身ともに健康で生活全体に対する満足度が高い傾向にあることが分かりました。
表情研究の第一人者である P・ エクマンは、デュシェンヌスマイルはポジティブな心理や脳の変化を生み出 すと指摘しています。
メジャーリーガーを対象にした研究では、デュシェンヌスマイルをもっている人たちは、もっていない人に比べ寿命が7年長いという結果が出ています。
日本における笑いの研究
日本でも千葉大学や東京大学などが65歳以上の人を対象に笑いに関する調査を行っています。笑う頻度と病気の発症率に関して調べた結果、笑うことがほとんどない人たちはほぼ毎日笑う人に比べ、脳卒中になる危険性が1.6倍、心疾患になる危険性が1.2倍となっていました。
また関節リウマチの患者さんに1時間余り落語を聞かせて笑いを体験させて、笑い体験の前後で痛みを和らげる物質βエンドルフィン値の変化を調査した研究では、落語の後で増加 (7.35±3.72pg/ml→10.61±6.90pg/ml)が認められたと報告 しています。またストレスホルモンであるコルチゾールの減少 (ll.46±5.28JJg/dl→8.28±3.22jjg/dl)を認 めました。
このように笑いは健康にさまざまな良い影響を及ぼすことが証明されています。
笑顔を作るだけでも脳は反応してホルモンや自律神経の働きを改善してくれます。段落
デュシェンヌスマイルを心がけ健康を手に入れましょう!
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