はじめに
人間関係のトラブルも国家間の争いも、根本的な原因は価値観の相違にあります。
人はそれぞれに異なった価値観を持っています。
異なった価値観を許容できなくなった際に争いが生まれます。
今回は争いの根本原因である価値観の相違に対して、どのように対処すべきかについて、僕の考えをお伝えします。
この記事を読めば、価値観の多様性を受け入れられるようになり、人間関係のトラブルを減らすことができるようになります。
コロナ禍で感じた価値観の相違
新型コロナウイルス感染症が世界的に流行した際、価値観の相違について深く考えさせられました。
流行初期では未知のウイルスに対し、多くの人々が不安に襲われていました。
このような時に、普段は見えない個々の価値観が表出します。
必要以上に恐れ行動制限を徹底する人がいる一方で、今までと何ら変わらず生活している人もいました。
行動制限をしている人からすれば、今まで通り生活している人を許すことができません。
これが価値観の相違です。
価値観の相違を感じた際、多くの人が異なる価値観を持つ人を悪とし攻撃対象とします。
攻撃対象としてしまうのは、恐怖、嫉妬といった感情が影響しています。
恐怖を感じる理由
人類は社会を形成することで生存し文明を築いてきました。
社会を維持するには価値観の違う異端者を排除する必要がありました。
生存過程で異なる価値観を持つ者を排除し続けてきたのです。
本能レベルで異端者を排除するよう刷り込まれています。
いじめが無くならないのもこのためです。
私たちは自分と異なる価値観を持つ人と出会うと、本能的に恐怖心を抱いてしまいます。
嫉妬を感じる理由
価値観の相違が生まれた場合、受け入れることができないのは劣っていたり我慢をしている側です。
コロナ禍であれば真面目に行動制限している人が、自由にしている人を受け入れることができず攻撃していました。逆に自由にしている人が行動制限している人を攻撃するケースはまずありませんでした。
このことから、根底には嫉妬があるのだと思われます。
「自分たちはこんなに頑張って行動制限しているのに、なんであいつらは行動制限しないんだ!ずるい!!」
といった感じです。
第二次世界大戦中、ナチスドイツがユダヤ人を大量虐殺したのも嫉妬からです。
ユダヤ人はとても優秀な民族です。経済的に成功している人が多く存在しました。
そのことに対する嫉妬心が、ユダヤ人を根絶させるという恐ろしい行動を起こさせてしまったのです。
ここまで特殊な例でなくても、「隣の芝生は青く見える」というように、日常生活においても嫉妬は生まれています。
本来嫉妬とは、人類が向上・成長するために備わった感情です。
もし嫉妬する対象者の価値観を受け入れることができれば、「自分も同じようになりたい」と思い、向上・成長に繋がります。
しかし価値観を受け入れることができないと、排除しようとしてしまうのです。
価値観の受け入れが大事
価値観の相違が生まれた際、問題行動をとらないためには、価値観を受け入れることが重要です。
価値観の相違を受け入れることができれば、恐怖や嫉妬を感じることはなくなります。
原始時代は群れを維持しないと生存することができませんでした。そのためには群れの価値観から外れた者は排除しなければなりませんでした。
しかし今は原始時代ではありません。
様々な価値観を受け入れることができるまでに進化しました。
その気になれば一人でも生きていくことができるようになりました。
現代ではひとりひとりが異なる価値観をもってもいいのです。
まずは価値観が違う人に対して抱く攻撃性は、原始時代の名残でしかないことを自覚しましょう。
攻撃性を感じたら
あっ!脳が原始人化しているぞ。自分は野蛮な原始人じゃないんだ。進化した人類なんだ。違う価値観の人を受け入れてもいいんだ。
と考えるようにしましょう。
嫉妬しているのに気付いたら
あの人は成功して幸せになれて良かったね~!あの人が幸せになれるなら、自分も幸せになれる可能性があるってことだ。自分なりの価値観で幸せになろう‼
と考えましょう。
さいごに
10人いいれば10通りの価値観があり、各々が自分の価値観が正しいと信じています。
しかし価値観はあくまでも自分にとっての正解であって、絶対的に正しいものではありません。
あ~なるほど!この人はこういう価値観を持っているんだな
とまずは受け入れましょう。
そのうえで
なぜこの人はこういう価値観を持っているんだろう?
と考えましょう。
このような思考習慣を身に付けると、自分の価値観が正義だと勘違いしなくなります。
その結果、さまざまな立場から物事を考えられるようになり、あなたの価値観の幅がグッと広がっていき、あなたの人生から争いがなくなっていきます。
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