巻き爪をあなどってはいけません!
巻き爪とは何らかの原因によって爪が丸まった状態です。
進行すると丸まった爪の辺縁が皮膚に食い込んでしまいます。
爪が皮膚に食い込んだ状態を陥入爪(かんにゅうそう)といいます
巻き爪や陥入爪は女性に多く見られます。その理由については後述します。
少数ですが男性にも見られます。
僕は幼少期から長年サッカーをしていた影響で巻き爪です。
巻き爪や陥入爪は痛みによって歩きにくくなる以外にも問題があります。
巻き爪はひどくなると皮膚を傷つけてしまいます。
その場所に細菌が付着すると感染を起こします。
通常は局所だけがグジュグジュしてたり赤く腫れたりする局所感染で済みますが、免疫不全や糖尿業など抵抗力が低下する病気を持っていると広範囲の感染になります。
ひどい場合は全身を細菌が駆け巡る敗血症になってしまいます。
敗血症になると命に関わることもあります
そのような事態を避けるためにも、巻き爪に対して正しい知識を持っておくことが大切です。
そこで今回は巻き爪の予防と治療について解説します。
この記事を読めば、巻き爪の予防、治療について知ることができます
巻き爪の原因
巻き爪は足の親指(母趾)に起こることが多いです。
10代~30代女性に多く見られます。
生まれつきの爪や指の形が一因となりますが、それ以上に生まれてからの習慣が大きく影響しています。
生まれてから巻き爪になる原因となる習慣としては
- 不適切な靴
- 足への負担
- 不適切な爪切り
があります。
それぞれについて解説します。
不適切な靴
つま先が狭い靴を履いていると、爪が圧迫を受け続けることになります。
ハイヒールだと爪先にかかる負担はさらに増えます。
女性ものの靴はつま先が狭いハイヒールが多いため、巻き爪が多くなっていると考えられています。
スポーツ競技用の靴もフィット感を重視するため、つま先に負担がかかりやすいです。
足への負担
立ち仕事や歩き回るような仕事、力仕事、スポーツなどでは足にかかる負担が増えます。
足にかかる負担が増えれば、つま先にも大きな負荷がかかります。
その結果、爪が変形していきます。
不適切な爪切り
あなたは母趾の爪をどのような形に切りますか?
普通は指の形にそって扇状に丸みをつけて切ると思います。
このような母趾の爪の切り方をすると、爪と爪の辺縁の皮膚に圧迫が起こりやすくなります。
その結果陥入爪を起こしてしまいます。
巻き爪予防
巻き爪の予防は上述した原因を避けることです。
つまり次のようになります。
- 適切な靴を履く
- 足の負担をかけないよう心がける
- 爪の切り方を工夫する
それぞれについて詳しく説明します。
適切な靴を履く
女性であればハイヒールを避け、できる限りヒールの低い靴を選びましょう。
つま先は狭いものではなく広いものを選んでください。
オシャレな靴を履きたい気持ちは分かりますが、少なくとも痛みがある時はヒールの低いつま先が広いタイプの靴を履いてください。
足の負担をかけないように心がける
立ったり歩いたりしている限り足の負担をゼロにするのは不可能です。
それでもできる範囲で負担を減らすよう心がけてください。
例えば立っている時はつま先重心ではなく踵(かかと)重心にしてみたり、歩く時はつま先に負担がかからないよう意識してみてください。
小さな積み重ねで巻き爪は起こります。
小さな積み重ねで予防しましょう。
爪の切り方を工夫する
母趾の爪を切る際、普通は角を丸くするところを角が四角くなるように切ってください。
巻き爪の治療
巻き爪の治療は次の進行度①~③によって変わります。
- 軽い痛みや腫れ、赤みのみ
- 爪が皮膚に食い込み、痛み・腫れ・赤みが強くなり、細菌感染している
- グニュグニュした肉(肉芽)が盛り上がっている
進行度①軽い痛みや腫れ、赤みのみ
テーピングで皮膚の食い込みを減らす
テーピングで爪が食い込でいる部分の皮膚と引っ張ることで、負担を減らし症状を改善できます。
以下の手順でテーピングを行ってください。
アルミホイールを入れる
爪と皮膚の間にアルミホイールを入れることで劇的に良くなることが多いです。
見た目には痛そうですが、アルミホイールはとても柔かいので痛みはありません。
むしろアルミホイールが爪と皮膚の間でクッション代わりになってくれます。
またアルミホイールがあることで、爪が伸びても巻き込みにくくなり、巻き爪を真っ直ぐに矯正してくれます。
アルミホイールを挿入後、瞬間接着剤で固定すると数週間は取れません。
僕の妻はこの方法で巻き爪が治りましたし、多くの患者さんが良くなっています。
ただし進行度①のみにしか適応はないので、進行度②③には行わないでください。
また最近は巻き爪をバネの力でで矯正する方法が用いられることが増えています。
元々は日本人の医師が考案し医療機関で行われていた方法ですが、自分でできる製品が開発されています。
進行度②痛み・腫れ・赤みが強くなり、細菌感染している
細菌感染の程度に応じて、抗生物質の内服薬や軟膏を使用します。
食い込みを減らし痛みを和らげる目的で、進行度①で紹介したテーピングを行ってもいいです。
アルミホイールは感染を悪化させる可能性があるので行わないで下さい。
バネを利用した矯正法は進行度②でも使用可能です。
進行度③肉芽が盛り上がっている
手術を検討します。
手術は母趾のみを麻痺させるブロック麻酔で行うことができます。
手術はとてもシンプルで、皮膚に食い込んでいる爪を取り除いて縫います。10分ほどで終わる手術です。
通常は巻き爪の進行に伴い皮膚が変化していくため、手術が必要になることは稀です。
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