腰のヘルニア
ヘルニアの語源は〈脱出〉を意味するラテン語のherniaで,臓器もしくは組織が体内の裂け目を通って本来の位置から脱出した状態をいいます。
腰で椎間板が脱出したものを腰椎椎間板ヘルニアといいます。
ヘルニアには他にも首にヘルニアである頚椎椎間板ヘルニアや、腸が飛び出す鼠径ヘルニア、脳が飛び出す脳ヘルニアなどがあります。
腰椎椎間板ヘルニアの原因・自己診断法・治療などを知りたい方はこちら↓
研究で腰椎椎間板ヘルニアになりやすい人が分かっています。
今回はどんな人が腰椎椎間板ヘルニアになりやすいのかについて解説します。
この記事を読めば、腰のヘルニアになる人の特徴を知ることができます
① 男性の方がなりやすい
世界中で腰椎椎間板ヘルニアの人を数百人から数千人調査した結果が出ていますが、男女比は約2〜3:1で男性が多くなっています。
日本で行われた1216名を調査した結果では、男性933名、女性283名でした。
男性の方が重量物を扱ったり運動をしたりする頻度が高いからかもしれませんが、統計的には男性の方がなりやすいという結果になっています。
② なりやすい年齢は20〜40歳代
働き盛りの20~40代で腰椎椎間板ヘルニアになる人が多いです。
子供やご高齢者はなりにくい傾向にあります。
③ 体がや柔らかい
体がやわらかい人が腰椎椎間板ヘルニアになりやすいです。
腰椎椎間板ヘルニア患者の13.2%が全身の関節に柔らかさがありました。
腰椎椎間板ヘルニアではない人で関節が柔かいは5.1%だったのと比較すると、関節の柔らかさが腰椎椎間板ヘルニアに関係するのは明らかです。
これは腰の動かせる範囲が大きいことで、椎間板にかかる負担が増えるためだと考えられます。
④ 重労働の影響は不明
元々労働によって椎間板が傷むことでヘルニアになりやすくなると考えられていました。
実際にフィンランド公衆衛生が、1966年~1972年に入院した腰椎椎間板ヘルニアの人592人を調査したところ、重労働者(ブルーカラー)のほうが事務系労働者(ホワイトカラー)に比べて発生率が高く、特に職業ドライバー、金属・機械業労働者はホワイトカラーに比べて約3倍リスクが高いという結果が報告されていました。
しかしイタリアのFedericoⅡ,MagnaGraecia University Hospitalで2001年~2003年にかけて腰椎椎間板ヘルニア120人の人たちを調査したところ、仕事による腰椎への負荷の違いは腰椎椎間板ヘルニアの発生頻度に影響を与えなかったという従来と異なる報告も示されています。
また2010年にSuri.Pたちが154 例の腰椎椎間板ヘルニア患者の発生機序を解析した研究で、62%の人は重量物をもつなどの明らかな原因はなく自然発生であることが報告されています。
重労働や車の運転が腰椎椎間板ヘルニアの発生に関与することを否定する論文が出てきたことで、現時点では労働と腰椎椎間板ヘルニアの関連性は不明であるという結論に至っています。
⑤ 腰椎椎間板ヘルニアになりやすい職種
研究によって腰椎椎間板ヘルニアになりやすい職種が明らかになっています。
- ヘリコプターのパイロット
- 宇宙飛行士
- 医師および医療従事者
- 全身振動が加わる仕事
- 時間の余裕がない仕事
原因までははっきりしていませんが、他の職種と比較して腰椎椎間板ヘルニアになりやすいことが分かっています。
⑥ スポーツの影響は不明
スポーツをしていると腰椎椎間板ヘルニアになりやすいイメージがあるかと思います。
いくつかの大規模な調査結果が報告されていますが、いずれもスポーツと腰椎椎間板ヘルニアの発症に関係は認めなかったと結論を出しています。
⑦ 喫煙は危険因子
腰椎椎間板ヘルニアに関する調査で、紙巻きたばこを1日10本吸うと約20%腰椎椎間板ヘルニアのリスクが上がると報告されており、危険因子の一つになると考えられています。
煙草に含まれるニコチンなどの有害物質が椎間板を傷めることは実験で明らかになっています。
⑧ 生活習慣病は危険性を上げる
※BMI=Body Mass Index :[体重(kg)]÷[身長(m)の2乗]で算出される値。肥満や低体重(やせ)の判定に用います。WHO(世界保健機構)の基準では30以上を”Obese”(肥満)としています。日本肥満学会の定めた基準では18.5未満が「低体重(やせ)」、18.5以上25未満が「普通体重」、25以上が「肥満」です。
とする報告があります。
しかしこれらの因子が直接腰椎椎間板ヘルニアに影響するかは明らかではありません。
まとめ
腰椎椎間板ヘルニアになりやすい人たちは以下のとおりです。
- 男性
- 20~40代
- 体がやわらかい
- ヘリコプターのパイロット、宇宙飛行士、医療従事者、全身振動する、時間に余裕がない
- 煙草を吸う
- 太り気味、血液ドロドロ、高脂血症
ひとつでも当てはまる場合は注意が必要です。少しでも腰椎椎間板ヘルニアになる危険性を下げるために
禁煙、ダイエット、油を抑えた食事
を心がけましょう!
禁煙におすすめの方法
禁煙は多くの人が失敗します。
禁煙は気合だけでは難しいです。
なぜならば、人間は習慣を変えるのが難しいうえに、ニコチンの禁断症状が出るからです。
禁煙を成功させるためには
- 習慣はそのままにニコチンを0にする
- ニコチンガムで禁断症状をコントロールする
という方法が効果的です。
① 習慣はそのままにニコチンを0にする
煙草は吸うことが癖になっていて止められない人にオススメの方法です。
ニコチン0の加熱式タバコに切り替えることで、タバコを続けながらタバコ依存の原因になっているニコチンをOにできます。
タバコを吸いながら椎間板ヘルニアの原因になるニコチンを0にできるのでオススメです。
タバコ依存から離脱しつつ、椎間板ヘルニアの原因をなくせるのでオススメの方法です。
② ニコチンガムで禁断症状をコントロールする
煙草依存の原因となっているニコチンを、ガムで補うことで喫煙習慣をなくす方法です。
禁煙をするとイライラするのは、ニコチンが不足して禁断症状が出るためです。
ニコチンガムを噛むことでニコチン不足が解消されば、禁断症状が出にくくなります。
徐々にニコチンの量を減らしていくことでニコチンガムすら不要になる可能性があります。
ダイエットにおすすめ
ダイエットするには
- 摂取カロリーを減らす
- 消費カロリーを増やす
しかありません。
摂取カロリーを減らす
摂取カロリーを減らすといっても、食事を抜いては不健康になってしまいます。
しっかり栄養を摂取しながら、カロリーを減らすのが理想的です。
今は通信販売で目的に沿った弁当を送ってくれるサービスもあります。

消費カロリーを増やす
消費カロリーを増やすためには運動が必要です。
しかし運動は多くの人が継続できないものです。
トレーニングジムに通うのは時間もお金もかかるので難しいという人も多いようです。
そんな方にオススメなのがオンラインのパーソナルトレーニングです。
最近は遺伝子タイプ別に最大効率のメニューを提供してくれるサービスもあります。

高脂血症におすすめ
高脂血症対策には脂質を抑えた食事と有酸素運動が効果的です。
サプリメントで脂質の吸収を抑えることもできます。
★自分が腰のヘルニアになりやすいタイプなのか知りたい
★どんなことをすると腰のヘルニアになりやすいのか知りたい