認知症になりやすいプレイ

認知症になりやすいスポーツとは

ウィリー・スチュワート教授はサッカーのプレイが脳に及ぼす影響について研究をしています。ウィリー・スチュワート教授は、この分野の第一人者であり、2017年に英国サッカー協会とプロサッカー選手協会の委託を受けて、選手の脳の健康に関する研究を行っています。

2019年には元サッカー選手が神経変性脳疾患で死亡する可能性は、一般の人に比べて約3.5倍高いことがわかりました。

最新の研究では、元男性プロサッカー選手約8,000人の健康記録データを調査し、一般の男性2万3,000人と比較しました。その結果、認知症リスクはディフェンダーで最も高く、サッカー選手以外の人に比べて認知症になる可能性が5倍も高いということが分かりました。 これに対し、フォワードは3倍、ゴールキーパーは一般の人と比べてほとんどリスクがありませんでした。また選手のサッカーキャリアが長いほどリスクが高まることもわかりました。

なぜディフェンダーで認知症リスクが高いのか

僕は小学校から大学までサッカー部に所属していて、主なポジションはディフェンダーでした。ですからディフェンダーの認知症リスクが高まる理由は分かります。それは間違いなくヘディングを行う頻度が高いからです。敵陣からのクリアーボールやセンタリング、シュートなど強烈なボールをヘディングで対処する場面が多々あります。

スチュワート博士もヘディングが主なげんいんであると考えており、脳機能の短期的な障害を引き起こす可能性があるヘディングのリスクを、サッカーで排除する時期に来ていると述べています。

イングランドのサッカー界は、プロとアマチュアの選手がトレーニング中に行うヘディングの推奨制限値を発表しました。

来シーズンからは、プロ選手はロングパス、コーナー、フリーキックからの強いヘディングをトレーニング中に10回までに制限され、アマチュア選手は週に10回までとされています。

しかしスチュワートはこれらのガイドラインが「非科学的な推測」に基づいていると批判しています。

一定のレベルのヘディングを10回行えば、必ずしもリスクに大きな差が出るという根拠はありません。評価するには、30年から40年待たなければならないでしょう。30年、40年待つよりも、頭に不必要な衝撃を与えないスポーツを検討すべきです

と述べています。