身長を伸ばすのに必要な習慣【専門医解説】

はじめに

前回身長を伸ばすのに必要な栄養について解説しました。

まだ読んでいない方はこちら↓

その際、少し触れましたが、身長を伸ばすのに必要な要素は、栄養とホルモンの二つです。

今回は身長に関係するホルモンと、ホルモンの分泌を促す生活習慣について解説します。

この記事を読めば身長を伸ばすために心がける生活習慣について知ることができます。

ホルモンとは

まずはホルモンについて説明します。

ホルモンという言葉は焼肉屋さんのメニューで目にしたり、「更年期のイライラの原因はホルモンバランスの乱れ」という言葉を聞いたりして、何となく知っていると思います。

ホルモンとは、体内の様々な臓器で作られて、極微量で効果を発揮し、体を健康な状態に保ったり、体を成長させたり、行動したりするのに必要な働きをする物質のことをいいます。

ホルモンの種類は100種類以上確認されていて、それぞれ重要な役割を果たしています。

代表的なホルモンには血糖値を下げるインスリン、心拍数を上げるアドレナリン、生殖に関係する女性ホルモンや男性ホルモンなどがあります。

身長に関係する主なホルモンは、成長ホルモン、甲状腺ホルモン、性ホルモンです。

このうち最も身長が伸びるのに影響を及ぼし、生活習慣の改善によって分泌量を増やすことが可能な成長ホルモンについて説明していきます。

成長ホルモン

成長ホルモンという言葉はストレートで分かりやすいですが、正式な医学用語で、英語のGrowth Hormoneを直訳したものです。

脳の下垂体と呼ばれる場所から分泌され、血流にのって全身に運ばれ、効果を発揮します。

成長期までは骨の成長や筋肉の発達に関係します。成長期以降も代謝を促しエネルギーを生み出す働きをするので生涯に渡って大事な役割を担います。

骨の先端近くにある軟骨に働きかけ、成長因子(IGF-I)の産生を促します。成長因子の作用で骨が成長し、身長が伸びていくのです。

成長ホルモンが出過ぎると身長のみならず手足やあご、鼻などが大きく成長する先端巨大症や下垂体性巨人症になりますし、少なすぎると低身長症になるので、適度に分泌されることが重要です。

先端巨大症や下垂体性巨人症、低身長症は何らかの異常があって成長ホルモンが出過ぎたり作用しなかったりする病気なので特殊なケースだと思ってください。

今回はこのような病気がない前提でお話していきます。

成長ホルモンの分泌を増やす方法

成長ホルモンび分泌量は1日のなかで変動し、夜間深い眠りにつく時に最も盛んに分泌ます。

つまり身長を伸ばすためには深い眠りをとって、成長ホルモンの分泌を促すことが大切です。

東京女子医科大学HPより引用

以前は22時から2時までが睡眠のゴールデンタイムと呼ばれ、成長ホルモンの分泌が最も促されると言われていましたが、最近では時間よりも深い眠り(ノンレム睡眠または徐波睡眠)をとることが成長ホルモンの分泌を促すうえで重要だと言われています。

睡眠にはレム(REM)睡眠とノンレム(Non REM)睡眠があります。

REMとはRapid Eye Movementの略で、睡眠中に眼球が素早く動いている時期です。レム睡眠は夢を見ている眠りの浅い状態です。

逆にノンレム睡眠(徐波睡眠)の時期は、眼球がゆっくり動いており、眠りが深くなっています。

徐波睡眠とレム睡眠は交互に繰り返され、その周期は90~120分間です。後半に進むにしたがい徐波睡眠の持続は短くなり、眠りが浅くなって目覚めやすい状態を作っていきます。

徐波睡眠の調節は神経伝達物質であるセロトニンが行っています。

セロトニンは気持ちをポジティブにする働きがあります。うつ病はセロトニンの不足が原因です。

セロトニンがしっかり分泌されることで、徐波睡眠が長く深くなり、成長ホルモンの分泌が促され、身長が伸びやすくなります。

セロトニンを増やすには以下の方法が有効です。

日光を浴びる

目から日の光が入ることでセロトニンが脳内で分泌されます。1日20分は日光を浴びるようにしましょう。日光を浴びることでビタミンDの生成、活性化が進み、骨や筋肉の成長も促されます。

運動をする

特にリズミカルな運動を行うことでセロトニンに分泌が促されることが分かっています。ダンスやウォーキング、サイクリング、ジョギングなどがおすすめです。

起きている間に運動をすることで、徐波睡眠は長く深くなることは証明されています。

瞑想する

瞑想と聞くと難しく感じるかもしれませんが、寝る前に暗い部屋でリラックスして軽く目を閉じてゆっくり深呼吸して心を落ち着かせるだけで十分です。そうすることでセロトニンの分泌が促されます。

入眠前のブルーライトを避ける

寝る前にスマホやパソコンの画面から出されているブルーライトが目に入ると睡眠の質が悪くなります。できれば入眠2時間前から避けるか、ブルーライトカットの眼鏡を使うなどの対策をしてください。

さいごに

日常の生活習慣の積み重ねであなたの体は作られています。

ちょっとした心がけの積み重ねが大きな変化として現れます。

ここで紹介した方法は誰もができることばかりです。

しかもここで紹介した習慣は、心身ともに健康になって、人生の質を高めてくれるものばかりです。

すぐに効果が出るわけではありませんが、取り組まなかった未来よりも取り組んだ未来の方が必ずあなたの成長に繋がります。

ぜひ継続して習慣にしてください。

継続するのが苦手な人はこちらの記事を参考にしてください↓

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