フィナステリドとは
AGA(男性型脱毛症)治療薬のひとつにフィナステリドがあります。
商品名の『プロペシア』や『フィナス治療』の方が耳馴染みがあると思います。
今回はフィナステリドについて解説します。
ジヒドロテストステロン(DHT)はAGAの原因となる物質です。
つまりフィナステリドはAGAの原因物質であるDHTの生成をブロックする薬です。
参考
5-α還元酵素の I 型とII 型をブロックするデュタステリドという薬もあります。
フィナステリドは元々前立腺肥大症に対する治療薬として開発されました。
前立腺肥大症は男性ホルモンが原因の病気なので、強力な男性ホルモンDHTをブロックすることで治療します。
フィナステリドによる前立腺肥大症治験中に薄毛が改善することが分かり、AGA治療薬に応用されることになりました。
用法用量
通常フィナステリド0.2mgを1日1 回内服します。
- 必要に応じて増量できますが、1 日 1 mgが上限です。
- 効果が確認できるまで通常 6 ヵ月毎日内服が必要です。
- 効果を持続させるためには継続的に服用する必要があります。
- 6ヵ月以上投与してもAGAの進行が遅れない場合には、効果なしと判断して投薬を中止とします。
- 6 ヵ月以上投与する場合は定期的に効果を確認し,継続投与の必要性について検討する必要があります。
実験結果
AGAに関する12の研究を解析した結果が出ています。
合計3,927名のAGA男性のデータが集まりました。
フィナステリドを投与した人たちと投与しなかった人たちを比較したところ
脱毛部1㎠あたりの硬毛数は、フィナステリドを投与した人たちの方が多くなっていました。
フィナステリド(1 mg/日,0.2 mg/日)を414 名の日本人男性に内服してもらった実験では、頭頂部の写真撮影による効果判定で
- 1 mg/日では 58%が軽度改善以上の効果
- 0.2 mg/日では 54%が軽度改善以上の効果
を認めました。
引き続き 1 mg/日内服を継続したところ
- 2 年間で68%
- 3 年間で78%
の改善が得られました。
801 名の日本人男性を対象とした研究において、フィナステリド(1 mg/日)5 年間の
内服継続の効果を写真で評価したところ、 99.4%の症例で効果を認めました。
特に40 歳未満や程度の軽い人でより高い効果を示しました。
フィナステリドの副作用
- 性機能低下
- 肝機能障害
- 胃潰瘍
- 大腸ポリープ
フィナステリドは強力な男性ホルモンであるDHTの生成をブロックするため、性機能の低下が問題となります。
374 名の日本人男性にフィナステリド(1 mg/日)を2年間の非ランダム化比較試験において、プラセボから 1 mg/日に移行した患者で 1 名性機能低下が出現しました。
その他に胃潰瘍,大腸ポリープが報告されましたが、フィナステリドとの関係は不明となっています。
大きなな副作用としては、まれに肝機能障害があらわれることがあります。
まとめ:AGA治療ははオンライン診療でも可能です
AGAに悩む年代の男性は働き盛りの人がほとんどです。
医療機関を受診する時間を確保するのも大変です。
最近はオンライン診療で薬を処方してくれるクリニックもあります。
カウンセリングは無料なので、まずはお気軽に相談してみましょう。

フィナステリドは,男性ホルモンであるテストステロンを、より強力な男性ホルモンであるジヒドロテストステロン(DHT)にパワーアップさせるのに必要な5-α還元酵素のうちⅡ型の作用のみをブロックする薬です。