【医師解説】AGA治療薬ミノキシジル液

ミノキシジル開発までの壮大なストーリー

ミノキシジルは頭皮に塗るタイプのAGA治療薬として、高い効果が実証されています。

発毛剤として有名なスカルプDの成分もミノキシジルです。

今では発毛剤として認知されているミノキシジルですが、元々は内科系の薬として開発されたものなのです。

ミノキシジルはジアリルメラミンという薬が起源となっています。
ジアリルメラミンは1960年頃アップジョン社が胃酸分泌阻害薬として開発を試みていた薬物です。
開発過程で研究員Freyburgerがジアリルメラミンが降圧作用を持つことを偶然に発見しました。
そこで血圧の薬を開発することに舵を取り直し、ジアリルメラミン周辺化合物の中でも優れた降圧作用があるミノキシジルを選択し開発を進め、米国のファルマシア・アップジョン社(現・ファイザー株式会社)が完成させ、1979年に米国で経口降圧薬として承認されました。

現在でも薬剤抵抗性の重症高血圧に最終選択薬として使われています。
血圧の薬としてミノキシゲルの臨床実験を行っている際、多毛症の副作用が報告されました。
そこで今度は薄毛治療にも使えるのではということで研究が行われ、1980年代にミノキシジル濃度2%の薄毛治療用の外用薬が誕生しました。このように紆余曲折を経て生まれたのが発毛薬ミノキシジル外用薬です。

用法用量

男女の脱毛症に使用できます。
ミノキシジル濃度2%~5%のものが主流です。
含有量が多ければ多いほど大きな改善効果を見込めますが、副作用のリスクも高まため、濃度の高いものは医師の診察による処方が必要です。

1回1mL、1日2回脱毛している頭皮に塗布し使用します。

ただし日本皮膚科学会のガイドラインでは、女性向けのミノキシジル外用薬は濃度1%が推奨されています。

どのように効果を発揮する?

ミノキシジルは、毛包に直接作用し、細胞の増殖タンパク質の合成を促進することによって発毛作用を示します。
細かい効果が発現する仕組みは分かっていませんが

  • sulfonylurea receptor(SUR)を作動させ、血管平滑筋ATP感受性Kチャネル開放し毛組織血流を改善
  • 毛乳頭細胞からの細胞成長因子( VEGF など)の産生促進
  • ミトコンドリア ATP 感受性 K チャネル開放による毛母細胞が自滅するのをブロックする

のいずれかを起こさせ、ヘアサイクルの成長期期間を延長して細く軟毛化した毛髪を太い毛に成長させると考えられています。

効果に関するテスト結果

男性

海外での試験結果をまとまた報告によると、924名の男性をランダムに二つのグループに分けて、一方は2%ミノキシゲル液を使用し、もう一方はプラセボ(偽薬)を使用し、24週間後の結果を比較したところ、2%ミノキシジル液を使用した人たちは偽薬を使用した人たちに比べ,脱毛部の総毛髪数が平均で20.90 本増加していました。

393名の男性を3つのグループに分け、それぞれ2%ミノキシゲル液、5%ミノキシジル液、偽薬を48週間使用した後比較したところ、脱毛部1cm2 内の非軟毛の増加は、偽薬群が平均 3.9 本、2%ミノキシジル群が平均 12.7本、5%ミノキシジル群が平均 18.6 本と5%ミノキシジル群で最も増加していました。

国外では352名の男性を二つのグループに分け、一方はフォームフォーム(泡)型 5%ミノキシジルを、もう一方は偽薬を用いてに16週後に比較した試験が行われています。
その結果、脱毛部 1cm2 内の毛髪数の増加は、プラセボ群が平均 4.7 本だったのに対し、フォーム(泡)型 5%ミノキシジルは平均 20.9 本と大幅に増加していました。

300名の男性を二つのグループに分けて、それぞれ1%と5%ミノキシジル液を24 週使用したところ、脱毛部 1 cm2 内の非軟毛数の増加は,1%ミノキシジル群が平均 21.2 本,5%ミノキシジル群が平均 26.4本と,5%ミノキシジル使用群でより増加していました。

女性

女性型脱毛症の1,242名を4グループに分けて、1%,2%,5%ミノキシジル、偽薬を24~32週使用したところ、偽薬群に比べ,脱毛部 1 cm2内の毛髪数が平均で 13.18 本増加していました。

また631名の女性を二つのグループに分けて、2%ミノキシジルと5%ミノキシジルを26~52 週用いたところ、5%ミノキシジル群では2%ミノキシジル群に比べ脱毛部 1 cm2 内の総毛髪数が平均で 2.12 本多いとの結果が出ました。

国内では280 名の女性を二つのグループに分けて、1%ミノキシジル液と偽薬を24週間使用し比較したところ、脱毛部 1 cm2 内の非軟毛数の増加は、偽薬群が平均2.03 本だったのに対し1%ミノキシジル群が平均 8.15 本と,1%ミノキシジル群は発毛促進効果を示していました。

副作用

男女を通して瘙痒,紅斑,落屑,毛包炎,接触皮膚炎,顔面の多毛などが報告されています。
393 名の男性に2%および 5%ミノキシジル液を48週使用したところ、瘙痒、接触皮膚炎といった皮膚症状の出現率は、5%ミノキシジル群で6%、2%ミノキシジル群(2%)より高かったです。

まとめ:AGA治療ははオンライン診療でも可能です

AGA治療薬は通信販売で海外から輸入することも可能ですが、偽物であったり危険な物質が混入していたりするため注意が必要です。

また上述したように副作用の問題があります。

安全安心のために医療機関で処方してもらうのがよいでしょう。

とはいえAGAに悩む年代の男性は働き盛りの人がほとんどで、医療機関を受診する時間を確保するのが大変です。

そこでおすすめなのがオンライン診療です。

オンライン診療であれば、家にいながら薬を処方してもらえます。

カウンセリングは無料なので、まずはお気軽に相談してみましょう。

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