AGAとは
AGAというワードが一般的に認知されている男性型脱毛症ですが、どのようなものがAGAなのかを理解していない方が多いです。
今回は日本皮膚科学会が作成した『男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン』をもとに、AGAについて分かりやすく解説します。
男性型脱毛症は英語でandrogenetic alopeciaと言います。頭文字をとってAGAと呼ばれています。
AGAは思春期以降に始まり徐々に進行する生理現象の一種です。つまり病気ではありません。
しかし恋愛や結婚、場合によっては仕事でマイナスになることが多々あるため、生きていくうえで問題とはなります。
男性型脱毛症とは、ヘアサイクル(毛周期)のうち成長期が短くなり休止期の毛が多くなることで起こります。つまり成長する髪が減り、成長しない髪が増えてしまい、毛量が減ってしまうわけです。
見た目の特徴としては、前頭部や頭頂部の髪が細く軟らかくなり、最終的には髪が生えなくなります。
AGAになるしくみ
髪の毛は成長期→退行期→休止期というサイクルを繰り返して生え代わっています。このサイクルを毛周期やヘアサイクルと呼びます。
成長期は毛の根元(毛球)にある毛母細胞が活発に分裂し、新しく太い髪の毛が成長する時期です。
しばらくすると細胞の活動が弱く成長が止まる退行期を迎えます。
その後、髪の毛が抜けて新しい毛を作る準備をおこなう休止期に入ります。
通常であれば休止期のあと再び成長期を迎え、新しく太い髪の毛が生えてきます。
ところが様々な原因で成長期が短くなると、休止期の毛がどんどん増えてしまいます。その結果、柔らかく細い毛ばかりになってしまい、前頭部や頭頂部を中心に毛が薄くなってしまいます。
この状態をAGAと呼びます。
日本におけるAGAの傾向
AGAは日本人男性の場合には 20 歳代後半から 30 歳代にかけて出現します。
その後徐々に進行して 40 歳代以後に完成されます。
25 年前の日本人男性のAGAの割合は平均で約 30%と報告されているますが、現在もほぼ同程度です。
年齢ごとの割合としては
- 20 代:約 10%
- 30 代:20%
- 40 代:30%
- 50代以降: 40 数%
と年齢とともに高くなっています。
AGAに関係する遺伝子
AGAの発症には遺伝が関係していることは医学的に証明されています。 X 染色体上に存在する男性ホルモンレセプター遺伝子の多型や常染色体の 17q21 や20p11 にAGA関連遺伝子の存在が確認されています。
AGAと男性ホルモンの関係
男性ホルモン(テストステロン)がAGAには関係しています。
男性ホルモンの主な働きとしては、骨・筋肉の発達を促ししたり、髭(ひげ)や胸毛などの毛を濃くするといった男性らしくさせる作用があります。
髭や胸毛を濃くするのとは逆に、前頭部や頭頂部などに対しては、男性ホルモンが毛を柔らかくするように働きます。
男性ホルモンに感受性のある毛の毛乳頭細胞(髪の根元に存在する毛に栄養を与えたり発毛・脱毛をコントロールする細胞)には、男性ホルモンの受容体が存在します。
男性ホルモンが髭や前頭部,頭頂部の毛乳頭細胞の受容体にくっつくと、5-α還元酵素の作用でジヒドロテストステロン(DHT)というホルモンにパワーアップします。
DHTは髭では細胞成長因子などを誘導しヘアサイクルの成長期を延長させます。逆に前頭部や頭頂部では、毛母細胞の増殖を抑制するTGF-β や DKK1 という物質が分泌され、ヘアサイクルの成長期が短縮します。
男性ホルモンそのものが脱毛の原因というよりは、男性ホルモンがパワーアップしたDHTが原因となります。
AGAの起こる原因が解明されたことで、DHTの生成を抑制する薬などが治療薬として開発されたわかです。
まとめ:AGA治療ははオンライン診療でも可能です
AGAに悩む年代の男性は働き盛りの人がほとんどです。
医療機関を受診する時間を確保するのも大変です。
最近はオンライン診療で薬を処方してくれるクリニックもあります。
カウンセリングは無料なので、まずはお気軽に相談してみましょう。
僕自身、抗がん剤の副作用で全身の毛が脱毛し、いまだに頭髪は薄いままなので、いかに脱毛症がマイナスになるかを実感しています。