【専門医解説】ジャンパー膝

ジャンパー膝とは

ジャンパー膝とは正式名称を膝蓋靭帯炎といいます。

膝蓋靭帯とは大腿四頭筋(太ももの筋肉)の端の部分で、膝のお皿のあたりに存在します。

Human knee cutaway illustration. Anatomy image.

バスケットボールやバレーボールなどのジャンプを繰り返し行うスポーツ競技を行うスポーツ選手に多く認めます。

症状

お皿の下の部分に運動時や運動後に痛みが生じます。

上図の赤いペイント部分に痛みが出ます。

症状が重い場合は腫れも生じます。

膝蓋靭帯を押さえると痛みがあります。

原因

ストレッチ不足のため大腿四頭筋の伸縮性が失われ硬くなることが原因です。

本来大腿四頭筋がクッションの役割を果たしますが、大腿四頭筋が硬くなるためクッション性を失います。

その結果、大腿四頭筋の端にあたる膝蓋腱に負担がかかり、腱が部分的に断裂してしまいます。

負荷が繰り返しかかることで、断裂が広がり、腱が弱くなってしまい、治りにくくなります。

治療

負荷を減らすことが基本的な治療となります。

絶対安静にする必要はありませんが、運動前後のストレッチ運動前のウォーミングアップ運動後のクールダウンアイシングを心がけましょう。

大腿四頭筋のストレッチを説明します。

まずは立った状態でのストレッチです。

片足立ちし、反対の足の甲を手で持って、かかとをお尻に付けるようにします。

勢いをつけずにゆっくり息を吐きながら行うようにしてください。

次に寝た状態でのストレッチです。

要領は先ほどの立って行うストレッチと一緒です。

足の甲を手で持って、かかとをお尻に近付けていきます。

運動の前後のみならず、毎日のお風呂上りに行うようにしてください。

靴を衝撃吸収タイプのものに変えたり、トレーニング内容やトレーニング量を変更するなどの工夫も重要です。

あまりに痛みが続く場合はMRIの撮影を行い、膝蓋腱の内部にまで損傷が及んでいる場合は手術を行うこともあります。

手術は膝蓋腱の壊死した部分を取り除く程度で済むことがほとんどですが、あまりに損傷が強い場合は腱を作り直す手術を行うこともばれにあります。

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