はじめに
足首をひねった際、靭帯(じんたい)などが傷んだ状態を足首の捻挫と呼んでいます。
捻挫とは
関節に力が加わっておこるケガのうち、骨折や脱臼を除いたもの、つまりX線(レントゲン)で異常がない関節のケガは捻挫という診断になります。
したがって捻挫とはX線でうつらない部分のケガ、ということになります。具体的には靭帯や腱というような軟部組織といわれるものや、軟骨(骨の表面を覆う関節軟骨、間隙にはさまっているクッションである半月板や関節唇といわれる部分)のケガです。
日本整形外科学会HPより引用
足首を内側に捻って外側の靭帯(外側側副靭帯)を傷めることが一番多いです。
スポーツ中のケガで傷めることが多く、よく見かけるケガです。
初期治療を適切に行わないと、捻挫を繰り返すことになります。
僕は小学校から大学までサッカーをしていたのですが、中学校2年生の時に足首を捻挫したのですが、初期治療を適切に行わなかったため、その後何度も繰り返し捻挫を起こしてしまいました。
捻挫は繰り返すと、将来的に足関節の軟骨が傷んでしまいます。
たかが捻挫と思って侮っていると後々痛い目にあいます。
この記事を読めば、捻挫に対して適切な対応ができるようになります。
どのようにして捻挫は起こる?
足首は普通に立っている状態では安定しているので捻挫は起こりません。
しかしつま先立ちの状態になると足首は不安定になります。
その状態でひねってしまうと、靭帯に大きな負担がかかり、捻挫を起こしてしまいます。
足首の捻挫で傷めやすい靭帯は前距腓靭帯という靭帯です。
捻挫は程度によって1度から3度に分類されます。
靭帯が引っ張られて伸びただけのものを1度、靭帯の一部が切れたものを2度、完全に切れたものを3度と呼びます。
捻挫はどんな症状?
ひねった瞬間「グキャッ」とした感覚を足首に感じます。
その直後、痛みと腫れが出現します。
傷めた部分を押すと痛みがあります。
捻挫の程度が強いと歩くのもつらい場合があります。
腫れや痛みが強い場合は、捻挫の程度が強いと考えられます。
内出血が出現した場合は骨折や靭帯の断裂が疑われます。
捻挫したらまずどうしたらいい?
- 一番大事なことは、無理をせずプレーを中断することです。
- 仰向けに寝て足を高くします。
- あれば足首用の装具やサポーターでの固定をします。なければ包帯で圧迫・固定します。
- 足首の周りを氷嚢などで冷やします。20分冷やして1時間休めることを、起きている間だけでいいので繰り返します。冷やすのは基本的にケガをした日だけで大丈夫です。腫れや痛みが強い場合は数日間続けます。
- 翌日以降でいいので念のため整形外科を受診しましょう。レントゲンを撮ってもらい、骨折の有無を確認してもらい、安静期間など今後の指示を受けましょう。
治療
基本的な治療は安静となります。
軽度であれば弾力性のある包帯やサポーターでの固定をして10日間ほど安静にします。
靭帯の損傷まで疑われる場合は、固定性の強い装具などでしっかりと固定します。体重をかけることもできない程症状が強い場合はギプス固定します。4週前後安静にします。
捻挫をしてから時間が経過したにも関わらず、足首がぐらついて問題がある場合は、手術による靭帯の修復や再建を検討します。
再発予防
靭帯は血流が少ないため修復に時間がかかる組織です。
完治するまでは年単位でかかります。
とはいえ年単位で安静を保つことは現実的ではありません。再発予防をしながら活動性を上げていくことになります。
再発を予防するには、負荷をかける際はサポーターや装具を使用しつつ、足首周囲のストレッチ、筋力を強化を行います。
さいごに
プロサッカー選手は繰り返し足首の捻挫をするため、足関節が高齢者の様に傷んで変形しています。そのため慢性的に痛みが出たり、歩行能力に問題が生じたりします。
たかが捻挫とあなどらず、初期治療と予防につとめましょう!
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