はじめに
ガンに対する予防意識の向上、ガン検診の普及、早期診断技術および治療の向上によって、ガンはかつてのように死の病ではなになりつつあります。
とはいえ日本人の死因第1位は変わらずガンとなっています。
これは日本が長寿国である以上、仕方のないことです。
なぜならばガンのほとんどが高齢になるほど発症しやすいため、平均寿命が長いほどガンになる人が増えるからです。
ガンのなかでも患者数が多く死亡者数が多いものを五大ガンと呼んでいます。
五大ガンとは、肺ガン、大腸ガン、胃ガン、乳ガン、肝ガンです。
今回は五大ガンの概要をお伝えします。
この記事を読めばあなたはメジャーなガンの症状と予防について知ることができます。
それぞれについて解説していきます。
肺ガン
肺がんは男女合わせて死亡率が 1位のがんであり、原因としては喫煙との関連が非常に高いとされています。
肺ガン予防のためには禁煙しましょう!
最も治療が困難なガンとなっており、2018 年には 7 万 4 千人余りもの人が肺ガンで亡くなっています。
肺ガンになる人の数は全がんの第 3 位です。
症状としてはセキ、血の混じったタン、息苦しさ、胸の痛みなどがあります。
肺ガンに対して新しいガン治療薬である分子標的薬や免疫チェックポイント阻害剤などの開発や応用がいち早く行われ、治療効果は向上してきています。
分子標的薬とは、病気に関係する特定の分子にのみ標的を絞った薬のことです。
免疫チェックポイント阻害剤とは、ガン細胞が免疫細胞の働きにブレーキをかけるのを防ぐことで、免疫細胞がガン細胞を攻撃するのを助けるための薬です。
肺ガンの5年生存率は1993~1996年では20.8%だったのが、2009年~2011年では29.5%に向上しています。
とはいえ5年後に生存できていたのが10人中2人から10人中3人に増えた程度です。
さらなる生存率の向上を期待しましょう。
大腸ガン
2019 年における大腸がんの死亡者数は 14 万人余りであり、全がんのなかで女性では第 1 位、男性では第4 位の死亡者数となっています。
患者数、死亡者数ともに増加し続けています。
しかし患者数と死亡者数の差は拡大しつつあります。つまり大腸ガンで死ぬ人の数が減っているということです。理由としては医学の進歩により新たな治療法が発展しているためだと考えられます。
患者数が増えている原因としては、脂肪摂取量の増加、食物繊維摂取量の減少の影響だと考えられています。
油っぽい食事、肉食で野菜不足だと大腸ガンになりやすいです。
大腸ガン予防のためには食生活を見直しましょう。
また遺伝性の家族性大腸腺腫症からの大腸ガンの発生が知られており、家族や近親者に大腸ガン患者がいるとなりやすい傾向にあります。
大腸ポリープや潰瘍性大腸炎などがある人も注意が必要です。
症状としては便に血が混じったり、腹痛や便秘下痢、お腹のはり、便が細くなるなどがあります。
胃ガン
胃ガンは1998 年以前は死亡者数が第 1 位のガンでしたが、近年は患者数,死亡者数ともに横
ばいから減少傾向に転じています。
2015 年における男性の患者数は 8 万 8 千人余りであり、男性においては死亡者数とともに全がんのうち第 2 位となっています。
胃ガンの原因として、塩辛いもの、味付けの濃いもの食べすぎや野菜不足などの偏食、熱いものの食べすぎ、お酒の飲みすぎ、喫煙があります。
他にも普段から胃の調子不良が悪かったり、ストレスの多い生活をしている人も胃ガンになりやすいとされています。
胃ガン予防のために、薄めの味付けを意識し、熱いものの飲食を避け、お酒や喫煙を控えましょう!
症状としては空腹時にミゾオチのあたりが痛かったり、便が黒色になったりします。進行すると体重減少や嘔吐、吐血、貧血などを認めます。
乳ガン
乳ガンは女性がなるガンで第 1 位、死亡数は第 5 位となっております。女性の 9人に 1 人が乳ガンになる計算です。
患者数は大幅に増加していますが、死亡者数はわずかな増加にとどまっております。
5年生存率は1993~1996年で84.4%であったのが、2009~2011年で92.3%にまで上昇しています。
乳ガンの原因として、高たんぱく食、高脂肪食、肥満があります。
乳ガン予防のために、脂肪やタンパク質の摂り過ぎ、肥満に注意しましょう!
また女性ホルモンと関係があるため、出産経験がないか30 歳以上で初出産であったり閉経年齢が 55 歳以上であると、乳ガンになる可能性が高くなります。
症状としては乳房のシコリや乳首からの分泌物などがあります。
治療には従来からの抗がん剤治療に加え、分子標的治療薬、ホルモン療法、手術、放射線などを併用します。
肝ガン
肝ガンによる死亡者数は 2019 年において 2 万 5千人余りであり、肺ガン、胃ガン、大腸ガンに
次いで 4 番目に多いです。しかしながら近年は患者数も死亡者数も減少傾向となっています。
原因としては C 型肝炎ウイルスによる感染が 64.7%と最多になっています。輸血や血液製剤の点滴、注射の使いまわしなどC型肝炎ウイルスに感染してしまうことが多いです。
最近は脂肪肝が原因で肝ガンになる人が増加傾向です。
その他アルコールの大量摂取や薬物による肝機能障害があると肝ガンになりやすい傾向にあります。
肝ガン予防のために、脂肪やアルコールの摂り過ぎに注意しましょう!
肝ガンは症状が出にくいため、沈黙の臓器と呼ばれています。進行すれば腹水が溜まってお腹が膨らんできたり、右上腹部にシコリを自覚したり、痛みが出たりします。
治療は手術や放射線療法のほか、ラジオ波焼灼療法、肝動脈化学放射線療法、肝移植や重粒子線治療などの他のがん種と異なる特殊な治療法が選択されることも多いです。
まとめ
医療の進歩にともなって、ガンは以前に比べて5年生存率が上がっています。
しかしながら食生活の西洋化(脂肪の摂り過ぎ)にともない、ガン患者は増えています。
まずは予防が第一です。
今回ご紹介した予防を心がけましょう。
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