思考を現実化させるRAS

はじめに

あなたは『引き寄せの法則』や『思考は現実化する』という話を聞いたことが一度はあると思います。

このような言葉は、スピリチュアルな感じがして信じられないと思う人が多いと思います。

僕もかつてはそうでした。

しかし脳科学的に引き寄せの法則や思考は現実化することが証明されつつあります。

それはRASと呼ばれる脳のシステムによります。

今回は思考を現実化させる脳のシステムRASについて解説します。

この記事を読めば、どのようにして思考が現実化されるのかを知り、あなたも思考を現実化させる能力に目覚めることができます。

RASとは

RASとはエイドのReticular Activating Systemの略で、日本語に訳すと網様体賦活系となります。

網様体とは哺乳類の脳の中心に近い脳幹部に存在する神経の集合体です。網様体という言葉が示すように、神経細胞から出ている神経線維が網の目の様に張り巡らされています。

網様体は呼吸や心拍、排泄を調節するなど、生命維持に関わる重要な働きを担う部分です。

さらに生存には欠かすことができないが起こるのも網様体です。

三大欲求と呼ばれる食欲、性欲、睡眠欲に加え、動物であれば生存するために必要な意欲(食料を獲得する、子孫を残す、安全を確保するなど)も網様体で作りさせれます。

人間であれば三大欲求を満たすために

  • 勉強する
  • 仕事を頑張る
  • 出世する
  • 異性にもてようとする
  • スポーツやトレーニングに打ち込む

といった意欲が網様体によって生まれます。

欲は呼吸、心拍、排泄と同じレベルで生存に欠かすことができない重要なものとだということです。

RASは脳に入ってくる膨大な量のデータをふるい分けする役割も果たしています。

脳には毎秒4億ビットもの情報を処理していると言われています。そのうち意識に残る情報はわずか2000ビットだけです。

入ってきた情報のうち99.9999%はRASで不必要と判断され消去されているわけです。

すべての情報に対処しようとしていては脳はフリーズしてしまいます。

そのため重要な情報だけを残すシステムが作られました。

RASは情報を重要なものと不要なものとにふるい分け、さらに重要なものに優先順位をつけます。

RASで選ばれた情報をもとに、思考感情が生まれ行動します。

ここがポイントです。

RASで情報を選ぶ思考や感情が生まれる行動する

というシステムによって人は行動するわけです。

どのような行動をとるかによって人生は決まります。

思考を変えることで行動を変え、現実を変えようという話を聞きます。

確かにこの考えは正しいのですが、もう少し掘り下げる必要があります。

そもそも思考は、RASがどんな情報を選んだかによって生まれます。

それならばRASでの情報選択を変えることが先決です。

RASでの情報選択を変えることで思考が変わり、その結果行動が変わり人生が変わります。

ではどのようにしてRASでの情報選択を変えればいいのでしょうか?

RASでの情報選択をコントロールする

RASには意識した情報を無意識に集める能力があります。

例えば「今日は赤いものを見つけよう」と思って1日を過ごすと、その日はいつも気が付かなかった赤いものがやたら目に入ってくるようになります。これはRASをコントロールしたことによります。

欲しい物があると、テレビや雑誌、街中でやたら目に付くようになるのも、RASが情報を無意識に集めるからです。

例えば留学したいと思っていると、不思議と留学に関する情報が集まってきます。

もともと留学に関する情報には日々触れていたのですが、RASで不必要と判断されていたため意識に残っていませんでした。ところが留学を意識しだすと、RASが留学に関係する情報を必要と判断し意識に残してくれるようになります。

その結果、ふとした会話のなかでも留学に関係するワードがあれば無意識に反応し、「ちょっとその話もう少し詳しく聞かせてもらえる」となって留学に繋がったりします。

RASはカーナビのような役割を果たします。

目的地を設定すれば、目的地に向かうのに必要な情報を選択し行動させ、目的地まで導いてくれます。

RASで必要な情報を選択させるためには、脳のプログラミングを変える必要があります。

イメージしやすいように僕の実体験をお話します。

僕は厳しく育てられた影響で、人生は試練の連続で辛いものだと脳にプログラミングされていました。

そのため無意識に辛い状況に身をおいて生きてきました。

厳しい先輩や上司に教育されることが多く、なぜか大変な職場ばかりで勤務してきました。

その結果、無理がたたって末期の悪性腫瘍を患ってしまいました。

病気になったことで人生を振り返り、色々勉強するなかで、実は辛い状況は自分で作り出していたことに気付きました。

RASに『人生は試練の連続で辛いもの』と幼少期にプログラミングされたことで、その考えを肯定する情報ばかりが集まり、試練や辛い状況を選択する行動を取らされていました。自己暗示のようなものです。

病気をきっかけに『人生は楽しむためにある』とプログラミングしなおすと、驚くべきことに人生から辛いことがなくなりました。

人生におけるすべての選択基準が辛いから楽しいに変わり、その結果人生が楽しいものに変わっていきました。

今、人生が辛いと感じているのならば、よーく自分の心の奥を見てください。実はあなたが引き寄せている可能性が高いです。

もうひとつ僕がRASの凄さを実体験した例をお話します。

僕は病気になった際、本当に自分がやりたいことは何かと自問自答を繰り返した結果、陶芸家になりたいという思いがあることに気付きました。すると不思議なことが起こったのです。

沖縄を旅行した際、たまたま立ち寄ったタコライスのお店でタコライスを注文したところ、出来上がりまで15分かかるとのことで、近くをブラブラと散策していました。

すると陶器を販売しているお店があったので何気なく入って器を見ることにしました。

そこで販売している器がとても素敵で、生まれて初めて器に一目ぼれしました。

店内を見回していると「にわか弟子募集」というチラシが目に入りました。

にわか弟子とは、来れるときだけ来るスタイルの弟子だと説明書きされていました。

見た瞬間「これだ!」と思いました。

とはいえさすがに神奈川県と沖縄県では距離がありすぎると思い、その時はチラシを持って帰るにとどめました。しかし神奈川県に帰ってからも思いが薄れることがないため、思い切って電話し弟子入りすることになりました。

3年経過しましたが、今でもにわか弟子を続けています。

このエピソードはまさにRASが人生を導いた例です。

陶芸家になりたいとRASにプログラミングしたことで、日ごろからRASは陶芸に関する情報を探していました。その結果無意識に陶器の店に入り、にわか弟子募集のチラシを見つけ、弟子入りすることになったのです。

これをただの偶然と思われるかもしれませんが、僕はRASによるものだと実感しました。

僕たちは無意識に日々情報を選択し、行動を決定しています。

恋人や結婚相手の選択もそうです。同じようなタイプの異性にひっかかってしまい苦労する人がいますが、これもRASに好みの異性がプログラミングされているため、そのような異性を見つけてしまうのです。苦労のループから抜け出すには、RASに改めて理想のタイプをプログラミングしなおす必要があります。

ではどのようにしたらRASのプログラミングを書き換えることができるのでしょうか?

RASの再プログラミング法

結論から言うと

求める人や物、状況を具体的にイメージする

ことで再プログラミングできます。

そのためにはまず、あなたが求めるものを知る必要があります。

求めているもの=目的地

が分からなければ、RASはうまく機能しません。

おすすめの方法は紙に書き出すというものです。

自分が求めている人や物、状況などを最低でも100個書いてください。

100個も書けないと思うでしょうが、無理にでも100個書き出すようにしてください。

100個書き出そうとすることで、欲を探すというミッションをRASにプログラミングしたことになります。その結果心の奥底に眠った本当の欲が湧きだし無意識に答えを探し出しくれます。

1週間、1カ月と時間をかけてもかまいません。

入浴中や寝る前、散歩の途中、テレビを見ているときなどにフッと浮かぶことが多いので、浮かんだらすぐにメモしてください。

求めているものリストができたら目に付くところに貼ります。

繰り返し目にすることでRASの再プログラミングが行われます。

このリストに完成はありません。

欲は時とともに変化します。随時更新していってください。

コルクボードに求めているものをイメージできる写真や雑誌の切り抜きなどを貼って目に付くところに置いておくとさらに効果的です。

求めているものリストを作る際、注意点があります。

それは「How(どうやったらできるか)」を考えず「What(何を求めているのか)」のみにフォーカスすることです。

Howを考えると制限がかかってしまいます。

どうやったらできるかはひとまず置いておいて、何を求めているのかだけ考えましょう。

求めているものさえプログラミングすれば、方法はRASの方で勝手に見つけてくれます。

さいごに

あなたの今の状況はすべてRASにプログラミングされたものが創り出しています。

無意識であろうと、あなたがRASに書き込んだものが現実となっています。

この記事を読んだあなたは、そのことを知ってしまいました。

これからは無意識にRASへ誤ったプログラミングをしないよう細心の注意を払ってください。

そのためにはあなたが求めるものを明確にイメージし、RASにプログラミングすることが必要です。

まずは100個求めるものを書き出しましょう。

その瞬間からRASの再プログラミングが始まります。

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