痛みや不安を和らげる認知行動療法

□ 長引いている痛みを和らげたい

□ 不安を減らしたい

と思っていませんか?

痛みや不安を和らげる心理療法があります。

それは認知行動療法です。

認知行動療法は心理療法として長年取り入れられている方法で、効果は実証されています。

痛みを減らすのに不安を和らげることが非常に重要です。

認知行動療法により不安を和らげることで痛みも和らぎます。

不安を簡単に取り除くことができればいいのですが、残念ながら不安は生物の本能に根差しているため次から次へと生まれてきます。

不安は生物の生存本能に根差しているため消すことは不可能です。

本能と不安の関係について詳しくはこちら↓

しかし認知行動療法によって、不安や痛みを軽減することは可能です。

今回は痛みや不安を和らげるのに有効な認知行動療法について解説します。

この記事を読めば、痛みや不安を自分で和らげる認知行動療法について理解できます

認知行動療法とは

認知行動療法とは、認知療法と行動療法が組み合わさったものです。

認知とは、物事の受け止め方のことだと思ってください。

行動とは、そのまま行動することです。

つまり認知行動療法は簡単に説明すると、

物事の受け止め方を変えることで行動を変えていく治療法

ということになります。

認知行動療法は元々うつ病、パニック症(パニック障害)、強迫症(強迫性障害)、不眠症、薬物依存症、摂食障害、統合失調症などの精神疾患に対して開発されました。最近では痛みの改善に応用されています。

これだけでは分からないと思うので、もう少し具体的に説明していきます。

不安に対する認知行動療法の具体例

仕事でミスをして上司に注意された

という場面を例にとってみます。

あなたが学生であれば仕事を勉強、上司を親や先生に置き換えて考えてください。

まず注意された』という物事があります。

『注意された』という物事を、あなたがどう受け止めるかが認知になります。

例えば注意されて

「昇給に影響が出るのでは」

と不安になったとします。

学生であれば

「お小遣いが減らされるのでは」

と不安になったとします。

この場合、

『昇給に影響が出るのではと不安』

『お小遣いが減らされるのではと不安』

という受け止め方が認知となります。

また不安になった結果、仕事や勉強に対して消極的になったとします。

この

『仕事(勉強)に対して消極的になった』

というのが行動です

さあ、ここで認知行動療法の出番です!

まず認知を変えていきます。

例えば

注意された➡『昇給に影響が出るのではと不安』『お小遣いが減らされるのではと不安』

注意された『間違いに気付いて成長できた』『成績アップにつながった』

という風に変換します。

認知が変わることで、その後の行動にも変化が出ます。

成長や成績アップにつながったと認知すれば、仕事や勉強に対して積極的になります

その結果、不安はなくなり、実際に仕事や勉強で成長や成績アップにつながりやすくなります。

これが不安に対する認知行動療法です。

痛みに対する認知行動療法の具体例

次に痛みに対する具体例を説明します。

腰痛持ちの人を例にとってお話します。

腰痛持ちの人は、腰痛という物事を

「腰痛があるから無理はできない」

という受け止め方をしています。この受け止め方を認知といいます。

『腰痛があるから無理はできない』という認知があるために、実際無理をしないという行動をとることになります。

その結果、腰の筋力が低下したり腰の動きが悪くなったりします。

すると腰痛がさらに出やすい体になってしまい、いつまでも腰痛が治らなくなってしまうのです。

ではここで認知を変えてみましょう!

『腰痛があるから無理できない』➡『腰痛があっても体は動かした方が良い』

と変換します。(認知を変える認知療法

すると腰痛がありながらも、できる範囲で体を動かすようになります。(行動が変わる行動療法

その結果、腰の筋力や腰の動きが徐々に良くなって、腰痛が出にくくなっていきます。

これが痛みに対する認知行動療法です。

認知行動療法はあらゆる分野で使える

認知行動療法はあらゆる場面に適用できます。

あなたに起こった物事は、受け止め方次第でプラスにもマイナスにも捉えることができます。

受け止め方をプラスに変えて、ポジティブな行動をとる

のが認知行動療法の極意です。

あなたに起こる物事はコントロールできませんが認知はコントロールできます

まずは日常生活を送るなかで、自分が物事をどのように認知しているのかを意識することから始めましょう。

慣れるまでは意識的に言語化すると良いです。

口に出さなくてもいいので

「あっ、今○○と受け止めているな。これはマイナスな受け止め方だな」

といった具体です。

余裕があれば紙に書き出すと認知しやすくなります

これを日常的に行っていると、自分が物事をどう認知しているのかを客観的に捉えられるようになります。

認知できるようになったら、次に認知を変える練習をしましょう。

マイナスに捉えていると気付いたら、

「この物事をプラスに捉えるとしたら?」

と自問自答しましょう。

これも慣れるまでは紙に書き出すといいです。

認知さえプラスに変えられたら行動は自然と変化していくものです。

行動がなかなか変化しないと感じたら、どんな行動をとるべきかも言語化したり紙に書き出したりするといいでしょう。

認知行動療法人生そのものを好転させるだけのパワーがあります。

ぜひ日常的に行って、理想の人生を手に入れてください。