自信がないのはなぜか?

僕は自信のない人間でした

僕は自信をもてないタイプでした。

自信をもてないのは幼少期に厳しく育てられたことが影響しています。

自信のあるなしは生まれつきの性格も影響しますが、それ以上に幼少期のしつけや教育が影響します。

厳しく育てられると、自信を持てなくなる傾向が強いです。

親は子供のためを思って、厳しくしつけや教育をします。

その結果、いわゆる“いい子”に育ちますが、厳しくしつけや教育をされることで自分が否定されていると感じ、自己否定感が強くなってしまいます。

逆に甘やかされて育つとどうなるでしょうか?

子供は何でも思い通りになると勘違いし、自分が王子にでもなったかのように育ちます。

いつでも自分が正しく、何でも思い通りにならないと気が済まなくなり、わがままに育ちます。

最近自己肯定感の高い低いが話題になって多くの書籍が出版されています。自己肯定感が高い状態とは自信のある状態、自己肯定感が低い状態とは自信がなく自己否定感が強い状態と言えます。

僕自身自信がなかったので、自信をつけるためにあらゆることを頑張ってきました。

当時は気付いていませんでしたが、医師になろうと思い医学部合格を目指したのも、サッカーを頑張り続けたのも、自信をつけるためでした。

しかし医学部に合格しても、国家試験に合格して医師になっても、自信をもつことはできませんでした。

国家試験に合格してまず思ったのは「自分なんかが医師としてやっていけるのか?」という自分に対する不安でした。

そんな時、父から生まれて初めて手紙をもらいました。

手紙には「お前に足りないのは自信だけ。医学部に合格して国家試験に合格したということは医師としてやっていけるという証明だから自信をもて」

といった内容のことが書かれていました。

そのおかげで自信をもって医師になる決意を固めることができました。

しかし現実は甘くありません。

当然働き始めは何も分からず何もできず、自信を失う日々でした。

自信を持てないことに悩みました。

そこで自信をつけるにはどうすればよいのかについて書かれた心理学の本を読むようになりました。

本で述べられていたのは「まずは根拠のない自信を持つ」「小さな成功体験を重ねて自信をつける」といった内容でした。

しかしこのような方法は、自信がないことの本質をとらえていないため効果がありませんでした。

自信はあれば良いというわけでもない

世の中には自信満々な人もいれば、自信なさげな人もいます。

自信満々な人は、頼りがいがあって仕事もできそうなので、一見魅力的にうつります。

いっぽう自信なさげな人は、頼りなく仕事もできなさそうなので、魅力を感じにくいです。

そのため、自信はあったほうがいいと一般的には考えられています。

確かにある程度の自信は必要です。

自信がなければ行動や決断をすることができません。

その結果、すべての物事でチャンスを逃し、人から下に見られやすくなります。

では自信があればいいのかというと、一概にそうとは言えません。

自信が過剰にあると、自信がないのと同じくらいデメリットがあります。

自信過剰の人は無謀な決断や行動をしやすくなります。その結果、大きな失敗を起こしやすくなります。

自信があるがゆえに、努力を怠ります。

人間関係においては、人を見下したり傷つけたりしやすく、嫌われて孤立する可能性が高いです。

重要なのは適度な自信をもつことです。

自信がないことでのメリット

自信がないことにもメリットがあります。

自信がないと「今のままではだめだ」という思いが常に存在します。

そこで人一倍努力をします。目標を達成したとしても満足することができず「こんなもんじゃまだだめだ」という思いが生まれ、さらに努力を積み重ねます。

このように自信がないことは向上心につながります。

普通であれば頑張って努力しなければならないところを、自信がない人は無意識に努力することができます。

その結果、実力以上の成果を上げたり、偉業を成し遂げたりする人もいます。

それでも心が満たされることがないため、頑張り続けなければなりません。

まさに修羅の道です。

これでは人生の目的である幸せに辿り着くことはできません。

ある程度までは自信がないことで無意識に努力できることはプラスに作用するので、うまく活用するのがいいと思います。

僕自身、うまく活用して偏差値20から1年間で医学部合格を果たすことができました。

その後医師になっても、医師として一人前になっても、自信を持つことができず、頑張り続けなければならず、終いには末期の悪性腫瘍を患ってしまいました。

自信を努力や頑張りよって満たそうとすると、いつまでも満たされない修羅の道を歩むことになり、体か心を病んでしまいます。

そうならないためには、自信が欠乏している根本原因を知り、満たす必要があります。

自信の満たしかた

心理学的に、幼少期に厳しくしつけられると自信をもてなくなることが明らかにされています。

ただ原因が幼少期にあることが分かっても、残念ながら過去を変えることはできません。

しかし原因が分かることで「あ~、だから自分は自信がないんだ」と納得できるようになります。

理由も分からず漠然と自信がないのと、自信がない原因を自分で分かっているのとでは、雲泥の差があります。根本原因を理解することで、問題に対処できるようになります。

自信のなさが厳しく育てられたことが原因なのであれば、今からでも自分を甘やかしてあがればいいのです。

他の人に甘やかしてもらうという方法もありますが、おすすめできません。

なぜならば他者依存に陥る危険性があるからです。

他の人に甘やかしてもらいたくて無理なお願いを聞き入れたり、我慢したりするようになっては元も子もありません。

上司や顧客の無理を聞いて働き過ぎたりDV被害者になる人は、厳しく育てられたことで自信がない人が多いです。自信のなさを埋めるために他者から認められたいという承認欲求が強くなり、他者依存に陥ってしまいます。

他者依存に陥らないためには自分で自分を甘やかす必要があります。

甘やかす具体的な方法は、自分で自分のことを褒めてあげるのがおすすめです。

ことあるごとに、「私ってすごい!」「こんなことできてえらい!」といった言葉を、小声でいいので口に出します。声に出すのが難しい状況であれば、心の中でつぶやくのでもいいです。

寝る前に日記形式で自分を褒めるのも有効です。

一日を振り返って、どんな些細なことでもいいので、達成したことや頑張ったことを書き出して褒めてください。

「ちゃんと朝起きて遅刻しなくて凄い!」

「朝食ちゃんと食べて偉い!」

といったほんの些細なことでもいいので書き出して褒めたたえましょう。

もちろんレベルの高い達成したことがあれば、それも褒めてください。

「任されたプロジェクトを成功させて凄い!偉い!天才!」

「資格試験合格してめっちゃ凄い!尊敬に値する!」

といった具合に大げさなほど褒めましょう。

繰り返すうちに、心の中にある自信の器が徐々に満たされていきます。

もうひとつ過激な方法があります。

それは幼少期親に厳しくされている情景を思い出し、「うるせえ!クソおやじ‼」「うるせえ!クソばばあ!」と怒鳴るという方法です。

その後、親に厳しくされ悲しんでいる幼少期のあなたの頭を撫でて抱きしめて、「あなたは良い子なんだよ。そのままで価値のある子なんだよ。」と言ってあげてください。

心の奥底が温かくなり目頭が熱くなるのを感じれば、あなたの中にいる自信がなく怯えている子供のままのあなたが癒された証拠です。

過去を変えることはできませんが、過去を癒すことはできます。

一度で効果が出るものではありませんが、繰り返し行うことで少しずつ過去が癒され自信への欠乏感が減っていきます。